グローバル・エコノミー入門
激動の世界経済・社会をどう捉えるか
編:益田 安良
著:東洋大学経済学部国際経済学科
目次
はしがき[益田安良]
執筆者紹介
略語集
第1部 国際経済学の基礎
第1章 国際経済を理解するための基礎知識[益田安良]
はじめに
1.国内・海外経済から国際経済,世界経済
2.国際経済を理解するための独特の視点
3.国際収支は国の家計簿(モノ・カネの表裏の関係)
4.世界の地域区分(世界経済観察の際の捉え方)
5.地域経済圏の重要性が増す
参考文献
第2章 貿易論の基礎[佐野聖香]
はじめに
1.貿易の基本的原理:比較優位の原理
2.比較優位と為替レート
3.比較優位の変化と競争力
4.自由貿易vs保護貿易
5.国際貿易体制の形成と発展
6.WTOからFTA・EPAへ
参考文献
第3章 国際金融論の基礎[棟近みどり]
はじめに
1.国際金融の起点,外国為替市場
2.グローバルな投機マネーが外国為替市場を動かす
3.円高・円安の意味
4.為替レートの変化と貿易の動き
5.円高と輸出企業
6.円高・円安のメリット・デメリット
7.インフレ格差と実質為替レート,購買力平価
8.通貨の総合力,実質実効為替レート
参考文献
第4章 国際マクロ経済学の基礎[平瀬和基]
はじめに
1.財市場
2.貨幣市場
3.IS-LM分析
4.マンデル=フレミング・モデル
参考文献
第5章 経済発展論・開発論の基礎
Ⅰ 経済発展論の概観[藤井信幸]
はじめに
1.工業発展の地理的拡散
2.途上国の技術導入
3.産業の発展と貿易
4.経済発展の国内的条件
5.市場経済と計画経済
参考文献
Ⅱ 途上国の経済開発[中川利香]
1.開発経済学とは何を扱う学問か
2.開発途上国とは?
3.国の発展度合いをみる指標:所得が増えれば良いのか?
4.開発の目的と担い手
5.ミレニアム開発目標
おわりに
参考文献/より深く学ぶための教科書
第6章 ゲーム理論とグローバル・エコノミー[平瀬和基]
はじめに
1.ゲーム理論とは
2.単期間ゲーム
3.複数期間ゲーム
おわりに
参考文献
第2部 欧米・アジア・BRICsの経済・社会
第1章 ヨーロッパ経済:多様性と統合モメンタム
Ⅰ ヨーロッパ経済とEUの仕組み[川野祐司]
はじめに
1.EU経済概況
2.EUとは
3.EUの経済政策と予算
4.ユーロと財政問題
おわりに
参考文献
Ⅱ 現代ドイツ社会の実状と課題[斎藤佑史・曽田長人]
はじめに
1.外国人労働者と移民
2.職業教育
3.環境問題
4.エネルギーと資源開発
おわりに
参考文献
Ⅲ イギリス社会の変容と現在[十重田和由・近藤康裕]
1.産業革命と近代:18世紀
2.19世紀:資本主義の発展と帝国主義
3.帝国主義と自由主義の変容
4.帝国の終焉と戦後の福祉国家体制
参考文献
第2章 アメリカ経済:問題点と活力・魅力
Ⅰ アメリカ経済の光と影[増田耕太郎]
1.アメリカの貧困とアメリカン・ドリーム
2.移民の存在:「貧困」の輸入から「人材」の輸入へ
3.スモール・ビジネスとベンチャー企業
参考文献
Ⅱ 夢のあとさき:アメリカ・映画・ビジネス[田中秀人]
はじめに
1.日米交流史
2.アメリカ:夢と現実
3.アメリカン・ドリーム(the American Dream)
4.映画の時代
5.ビジネスとしての映画
おわりに
参考文献/より深く知るために
第3章 西欧資本主義の形成[道重一郎]
はじめに
1.封建制の解体と市場経済の成長
2.中世的世界経済とその解体
3.資本主義的な経営の発展
4.イギリス産業革命と後発国の工業化
おわりに
参考文献
第4章 東アジア経済:急発展の後の次のステージ
Ⅰ 中国経済の軌跡とその展望:経済大国への試練[〓仁平](〓は赤におおざと)
はじめに
1.市場化改革と対外開放の進展
2.高まる中国のプレゼンス
3.対外貿易の拡大と外資導入
4.工業化の進展と産業構造の変化
5.所得分布の不平等と所得格差の拡大
6.国際収支の不均衡と人民元の切り上げ
おわりに
参考文献
Ⅱ 中国における経済体制の変遷[続三義]
1.人民公社化から改革・開放までの中国経済事情(1958~1980年)
2.改革・開放へ
参考文献
Ⅲ 東南アジアの経済発展[中川利香]
はじめに
1.植民地支配からの独立
2.多様性に富む東南アジア
3.グローバル化に組み込まれた発展
4.アジア通貨危機
5.地域経済協力の推進
6.東南アジア経済の課題:中所得のわな
参考文献/より深く学ぶための教科書
第5章 BRICs経済の発展可能性
Ⅰ BRICsが注目される理由[佐野聖香]
Ⅱ ブラジル経済の強さと不安点[佐野聖香]
1.ブラジル経済における優位性
2.ブラジル経済の強さの秘密
3.ブラジル経済における課題
参考文献
Ⅲ インド経済の発展[中川利香]
1.インドの経済発展
2.サービス業が牽引する経済成長(2000年以降)
3.インド経済の展望
参考文献
第3部 グローバル・エコノミーを捉えるための重要な視点
第1章 地域協力・地域統合の意義と形成過程[川野佑司]
はじめに
1.地域協力の利益
2.地域統合に関わる理論
3.ブロック化とリージョナリズム
参考文献
第2章 経済のグローバル化の実相とその背景[益田安良]
はじめに
1.経済・産業のグローバリゼーションとは
2.世界各地で産業や生活を揺さぶった9.11テロ
3.輸入品の増加と対外・対内直接投資の活発化
4.知らないうちに海外金融資産を保有する日本人
5.日本を揺るがすグローバル・スタンダード
6.グローバリゼーションの進展度合い(貿易と投資)
7.グローバリゼーションの功罪
参考文献
第3章 世界標準の形成とグローバリゼーション[中北徹]
はじめに
1.世界標準とは?
2.画期的なWTOのスタンダード協定
3.ネットワークの外部性
4.世界標準化とオープンな国際分業体制
5.日本のお家芸が通用しない
6.標準は変遷するもの:求められる経営者の「哲学」
参考文献/より本格的な専門書として
第4章 経済的覇権の変遷[道重一郎]
はじめに
1.海上帝国と経済的覇権:スペインとオランダ
2.重商主義帝国から産業革命へ:最初の工業国家イギリス
3.大量生産・大量消費の時代:超大国アメリカ
おわりに:多極分散化する世界経済
参考文献
第5章 国際公共財の諸相[大野裕之]
はじめに
1.国際公共財とは何か
2.さまざまな公共財概念の整理
3.国際公共財の供給
4.国際公共財としての地球環境保全
5.開発援助・途上国支援
6.国際金融システムの安定化:為替レートを中心に
参考文献
索引
ISBN:9784326503506
。出版社:勁草書房
。判型:A5
。ページ数:328ページ
。定価:3000円(本体)
。発行年月日:2011年07月
。発売日:2011年07月11日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCL。