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著作者契約法の理論

著作権法の現代化に向けて

著:三浦 正広

紙版

内容紹介

比較法研究の視点から理論的に分析することで新たな方向性を見出すとともに、支配的な見解に対し創作者保護の観点から一石を投じる。

著作者契約法とは、著作者を契約弱者であると位置づけて強制的に保護しようとする理論であり、著作者の契約上の地位を強化することによって文化の創造、発展することを目的とする。ドイツ法、EU法の動向の比較法研究の視点から理論的に分析することで、日本の著作権研究として新たな方向性を見出す本邦初の意欲的な研究書。

目次

はしがき

第1部 著作者契約法総論

序 章
第1章 著作者契約法の意義と目的
第2章 著作者契約法の思想と方法
第3章 著作者契約法の歴史と発展

第2部 ドイツ法

第1章 撤回権の意義と機能
第2章 映画製作者の法的地位の強化──権利移転の推定理論
第3章 実演家契約法──著作者と実演家の権利の平準化
第4章 著作者契約法と相当報酬理論──2016年著作者契約法改正
第5章 著作物の学術的利用と相当報酬理論
第6章 著作権管理団体法と相当報酬制度
第7章 EU法と著作者契約法──2021年著作者契約法改正
第8章 EU法における撤回権

第3部 日本法

第1章 著作権契約における著作者人格権
第2章 著作権契約における権利の留保
第3章 著作権契約の解除の効果
第4章 著作権譲渡契約の法的構成

むすびにかえて
ドイツ法翻訳条文
ドイツ法令およびEU指令

参考文献
初出一覧

著者略歴

著:三浦 正広
三浦 正広(みうら まさひろ)
専攻は、著作権法、著作者契約法/人格権、著作者人格権、肖像権、パブリシティ権。1987年、青山学院大学法学部卒業、94年、同大学院法学研究科博士後期課程満了退学、1997年、岡山商科大学法経学部助教授、2006年より国士舘大学法学部教授。2000年─01年、12年─13年 マックス・プランク研究所(ドイツ・ミュンヘン)学術研究員。主要論文:「有体物の影像による利用とその法的保護─所有権、著作権、物のパブリシティ権─」青山法学論集45巻4号161頁(2004)、「パブリシティ権と顧客吸引力─裁判例におけるパブリシティ権概念の変遷─」牛木理一先生古稀記念論集『意匠法及び周辺法の現代的課題』773頁(発明協会、2005)、「補償金制度をめぐる欧州の動向:EU司法裁判所2013年6月27日判決(VG Wort事件)を中心として」ジュリスト1463号23頁(2014)、「私的複製報酬の出版者への分配─ドイツ連邦最高裁(BGH)2016年4月21日判決を中心として─」コピライト670号21頁(2017)ほか

ISBN:9784326404247
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:440ページ
定価:8500円(本体)
発行年月日:2023年08月
発売日:2023年08月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GLK