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担保権信託の法理

いわゆるセキュリティ・トラストの構造と運用

著:長谷川 貞之

紙版

目次

はしがき
初出一覧
略語一覧

第1章 序論 担保権信託の創設と基本的法律関係
 1 はじめに
 2 担保権信託の設定をめぐる問題
 3 担保権信託の公示をめぐる問題
 4 担保権信託における担保権の実行・担保管理をめぐる問題
 5 小括――担保権信託の課題と展望

第2章 信託の特質・その多様性と多角的法律関係
 1 問題の所在
 2 信託の本質をめぐる議論
 3 信託の契約的要素と法構造
 4 信託の転換機能と多角的視点

第3章 担保権信託の設定と債権者の関与
 1 問題の所在
 2 担保権と被担保債権との分離――担保権信託の設定をめぐる従来の議論
 3 担保権信託の創設における立法略史
 4 担保権信託の設定における付従性
 5 担保権信託における担保権の意義と留意点

第4章 物的担保における担保権と被担保債権の分離――付従性概念の再構築
 1 問題の所在
 2 担保権者と被担保債権の債権者との分離
 3 「付従性なき譲渡担保」理論と譲渡担保権信託
 4 私見の立場と付従性の観念

第5章 法制審議会信託法部会の審議よりみた担保権信託の意義と立法課題
 1 はじめに
 2 立法過程よりみた担保権信託の意義
 3 担保権信託の立法課題
 4 小括――残された問題と今後の課題

第6章 シンジケート・ローンにおける担保取得と担保権信託
 1 はじめに
 2 シ・ローンの形態と組成方法・法律関係
 3 シ・ローンにおける担保取得と担保権信託
 4 担保権信託の活用と実務上の留意点

第7章 信認関係と忠実義務――信認型契約の創設を構想する立場からの提言
 1 はじめに
 2 債権法改正に現れた2つの改正案
 3 既成法典と受任者の忠実義務と善管注意義務
 4 受任者の忠実義務を論ずることの意義
 5 信認型契約の提唱と忠実義務の視点

第8章 忠実義務違反と利益吐出し効果
 1 はじめに
 2 委任に基礎を置く代理人の忠実義務
 3 忠実義務の違反とその効果――利益吐出し型損害賠償は認められるか?
 4 小括

第9章 救済法理としての信託――公共工事の前払金にかかる預金払戻請求権と貸付債権との相殺の可否
 1 事案の概要と争点
 2 裁判所の判断と理由づけ
 3 本判決の評価と若干の検討
 
結び――あとがきに代えて
事項索引
判例索引

著者略歴

著:長谷川 貞之
1958年鳥取県に生まれる。1981年学習院大学法学部卒業。1988年慶応義塾大学大学院法学研究科博士課程(民事法学専攻)単位取得退学。1992年博士(法学)(慶応義塾大学)。駿河台大学法学部教授、獨協大学法科大学院教授を経て、日本大学法学部(同大学院法学研究科兼担)教授、弁護士。専攻は民法、信託法。(2011年7月現在)

ISBN:9784326402670
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:260ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2011年07月
発売日:2011年07月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNB