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日豪の安全保障協力

「距離の専制」を越えて

著:佐竹 知彦

紙版

内容紹介

中国脅威論が高まる現在、日本とオーストラリアは「準同盟」と言われるまで関係を強化した。これまでの軌跡をたどり、今後を展望する

ともに民主主義的価値観を持ち、アメリカと同盟を結ぶ日本とオーストラリア。中国に対抗する日米豪印「クアッド」でも注目を浴びる日豪両国は、どのように「準同盟」と呼ばれるまで関係を深化させてきたのか? 中国への認識ではどんなギャップがあり、どのように収斂していったのか? 新進気鋭の安全保障研究者が検証する。

目次

序章 なぜ日豪の安全保障協力は発展したのか
 1.解明すべき問題
 2.先行研究と理論的視座
 3.本書の議論と構成

第1章 日本とオーストラリアの脅威認識
 はじめに
 1.日本の対中脅威認識
 2.オーストラリアの対中脅威認識
 3.「脅威」をめぐる問題

第2章 冷戦期の間接的同盟関係──1945~1989年──
 はじめに
 1.日米同盟と米豪同盟
 2.ニクソン・ドクトリン下での協力
 3.冷戦期の安全保障協力の限界
 おわりに

第3章 冷戦後の日豪の接近──1990年代──
 はじめに
 1.冷戦後のオーストラリアの地域情勢認識と日本
 2.冷戦後の日豪の接近
 3.対米同盟の再強化と防衛交流の拡大
 おわりに

第4章 実践的協力の強化──2000~2008年──
 はじめに
 1.日米豪戦略対話の発足
 2.実践的協力の強化
 3.安全保障協力の制度化
 おわりに 

第5章 政権交代と日豪関係──2008~2013年──
 はじめに
 1.労働党政権と民主党政権の安全保障協力
 2.パワーシフトと脅威認識の増大
 3.チャイナ・ギャップとチャイナ・コンセンサス
 おわりに

第6章 日豪「準同盟」関係の可能性と限界──2013~2016年──
 はじめに
 1.「特別な戦略的パートナーシップ」へ
 2.日豪潜水艦協力の進展と挫折
 おわりに

第7章 「自由で開かれたインド太平洋」に向けた取り組み──2016年以降──
 はじめに
 1.潜水艦後の日豪協力
 2.「自由で開かれたインド太平洋」と日豪の安全保障協力
 3.防衛協力の進展
 おわりに

終章 地政学の復権?
 1.本書のまとめ
 2.本書の議論から見えること

あとがき
初出一覧
事項索引
人名索引

著者略歴

著:佐竹 知彦
佐竹 知彦(さたけ ともひこ)
慶應義塾大学法学部を卒業。オーストラリア国立大学太平洋アジア研究所国際関係学部博士課程を修了、Ph.D. を取得。防衛研究所政策研究部助手などを経て、現在:防衛研究所政策研究部防衛政策研究室主任研究官。専門は国際関係論、アジア太平洋の安全保障。主著:『冷戦後の東アジア秩序──秩序形成をめぐる各国の構想』(勁草書房、2020年、共著)、『アフターコロナ時代の米中関係と世界秩序』(東京大学出版会、2020年、共著)、『防衛外交とは何か──平時における軍事力の役割』(勁草書房、2021年、共著)など。

ISBN:9784326303120
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:228ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2022年03月
発売日:2022年03月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS