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民主主義の発明

全体主義の限界

著:クロード・ルフォール
訳:渡名喜 庸哲
訳:太田 悠介

紙版

内容紹介

民主主義は全体主義の経験に照らされたとき、はじめてその意義を明かす。全体主義の概念によって、スターリニズムやファシズムを定義しなおしたルフォール。本書では、東欧政治体制の研究や『収容所群島』の読解を通じて、全体主義のただ中で生まれてくる民主主義の可能性と両義性を考察していく。

目次

まえがき

第Ⅰ部 全体主義を理解するために

第一章 人権と政治
第二章 全体主義の論理
第三章 スターリンとスターリン主義
第四章 左派連合が考えないこと
第五章 身体のイメージと全体主義

第Ⅱ部 新たな兆しを読み解く

第六章 ソビエトの反体制派とわれわれ
第七章 革命の問題
第八章 ハンガリーの蜂起
第九章 もう一つの革命
第一〇章 ポーランドからの帰還
第一一章 可能性の限界を押し広げる

初版への序文
原注
訳注
解説 クロード・ルフォールの新しさと古さ
あとがき
索引

著者略歴

著:クロード・ルフォール
クロード・ルフォール(Claude Lefort)
1924年生. 政治哲学者. メルロ=ポンティに師事し哲学および政治運動に関わる. コルネリウス・カストリアディスと出会い「社会主義か野蛮か」を立ちあげる. カーン大学教授, フランス社会科学高等研究院教授などを歴任. マキァヴェッリ, トクヴィル, アレント, メルロ=ポンティらに影響を受け, 官僚制, 全体主義, 収容所体制といった20世紀の政治経験についての考察を展開. 2010年没. 主著に, 『官僚制批判の諸要素』(1971年, 未邦訳), 『マキャヴェッリ作品研究』(1972年, 未邦訳), 『政治的なものについての試論』(1986年, 未邦訳), 『余分な人間――『収容所群島』をめぐる考察』(宇京頼三訳, 未来社, 1991年), 『エクリール――政治的なるものに耐えて』(宇京頼三訳, 法政大学出版局, 1995年)などがある.
訳:渡名喜 庸哲
渡名喜 庸哲(となき ようてつ)
1980年生. 慶應義塾大学商学部准教授. フランス哲学, 社会思想史. 主要業績に『カタストロフからの哲学――ジャン・ ピエール・デュピュイをめぐって』(以文社, 2015年, 共編), 『エマニュエル・レヴィナス著作集』(第1巻, 法政大学出版局, 2014年, 共訳), ジャン=リュック・ナンシー『フクシマの後で――破局, 技術, 民主主義』(以文社, 2012年), ジャン=ピエール・ルゴフ『ポスト民主主義時代の全体主義』(青灯社, 2011年, 共訳)などがある.
訳:太田 悠介
太田 悠介(おおた ゆうすけ)
1980年生. 日本学術振興会特別研究員(PD). 上智大学ほか非常勤講師. 思想史. 主要業績に「矛盾と暴力――エティエンヌ・バリバールの政治哲学序説」(『社会思想史研究』第37号, 2013年), ジェラール・ノワリエル『フランスという坩堝(るつぼ)――19世紀から20世紀の移民史』(法政大学出版局, 2015年, 共訳)などがある.

ISBN:9784326302543
出版社:勁草書房
判型:A5
ページ数:413ページ
定価:5200円(本体)
発行年月日:2017年01月
発売日:2017年01月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP