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ギャバガイ!

「動物のことば」の先にあるもの

著:デイヴィッド・プレマック
訳:橋彌 和秀

紙版

内容紹介

チンパンジーが選んだ「リンゴ」を示す記号は、ヒトの言葉の「リンゴ」と同じといえるのだろうか。心の理論の提唱と同時期に「類人猿の言語プロジェクト」の中でも異彩を放ったプレマックは、緻密な思考に基づいた行動実験から「言語」と「こころ」の関係を明晰に腑分けした。言語、心理、コミュニケーション研究者必読の名著。

目次

謝辞

序章

1 イルカの救いかた
 自己について記述することと他者について記述すること
 サラ─同義性、関係クラス、概念規則
 会話と「単なる文のつくりっこ」との混同
 言語と転移
 データの第一ラウンド
 第二ラウンド

2 学習、ハードウェア、認知
 学習とハードウェア
 クレオール化
 規則、慣習、科学法則─課題特異性と種特異性
 認知 VS. ハードウェア
 学習 VS. ハードウェア
 認知と学習
 ハードウェアのシミュレーションについて

3 語とはなにか?
 生成と理解
 語の外的機能─情報検索
 チンパンジーの心に保持されているものは?
 語の使用を語の意味と混同しないことについて
 非直示的に語を教える
 負の範例の重要性
 「ギャバガイ」とプラスチック語
 問いただすこと─言語的・非言語的に
 問いただせないケース
 クラスの包摂と関数解析

4 言語が抱える非言語的要素への依存性
 時間的順序
 情動と語

5 言語のミッシング・リンク
 再帰性
 類人猿からヒトの子どもへ?

訳者解説─「動物のことば」の先にあるわたしたちのこころ

付録
参考文献
人名索引

著者略歴

著:デイヴィッド・プレマック
デイヴィッド・プレマック(David Premack)
1925年生まれ. ミネソタ大学大学院修了(Ph.D. in experimental psychology and philosophy). ペンシルヴァニア大学心理学部教授を経て, 同大学名誉教授. 「プレマックの原理」「心の理論」などの研究で, 心理学に多大な功績を残した. 邦訳書に『心の発生と進化』(新曜社, 2005). 2015年に逝去.
訳:橋彌 和秀
橋彌 和秀(はしや かずひで)
1968年, 広島県生まれ. 1997年, 京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了. 博士(理学). 九州大学人間環境学研究院准教授. 訳書に『ヒトはなぜ協力するのか』(2013, 勁草書房), 著書に『インタラクションの境界と接続』(共著, 2010, 昭和堂), 『知覚・認知の発達心理学入門』(共著, 2008, 北大路書房).

ISBN:9784326299249
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:260ページ
定価:2900円(本体)
発行年月日:2017年07月
発売日:2017年07月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PSV