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大学生のためのビジュアルリテラシー入門

著:原木 万紀子

紙版

内容紹介

情報の伝達のためにはどのような視覚情報を提示すればよいか。また受け取る側はそこから何を読み取るべきか。現代社会に必須の能力。

インターネットとスマートフォンの普及は、誰でも画像等を編集・入手できるという利便性と、誤った用い方をすれば一瞬にして混沌を生み出す危険性を含んでいる。本書は、米国の大学・研究図書館協会が提唱するビジュアルリテラシーの定義に沿って、なぜそれらの能力が必要とされるか、能力取得のために望まれる訓練について論じる。

目次

序 章

第1章 ビジュアルリテラシーの背景
 リテラシー――言葉の起源とその変遷
 古代エジプト文明とリテラシー
 リテラシーとSociety
 リテラシーとアイデンティティ、VLの可能性について

第2章 ビジュアルリテラシーとは?
 言葉の定義
 VLの変遷
 90年代以降の流れ 教育としてのVL/人間の能力としてのVL
 ACRLのVLの定義
 ACRLのVLと今後の展望

第3章 教育戦略としてのVL――認知心理学の視点から
 二重符号化理論(Dual-coding theory)
 認知負荷理論(Cognitive load theory: CLT)

第4章 図書館情報学とビジュアルリテラシー
 図書館情報学とは
 公共の財産としての情報
 ILとVL
  コラム 米国の図書館司書と日本の図書館司書の違い
 VL教育に向けて――ILとの比較と今後の展望

第5章 様々な領域におけるVL
 芸術分野とVL
 STEM分野とVL
 社会科学分野におけるVL

第6章 VLとCreativity
 創造性研究(1)創造性はDomain general か Domain specificか
 創造性研究(2)創造性のさらなる分類

おわりに
参考文献
ACRL VLにおける基礎能力・パフォーマンス指標・学習成果 一覧

索 引

著者略歴

著:原木 万紀子
原木 万紀子(はらぎ まきこ) 2012年東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻美術解剖学研究室修士課程修了。2016年東京大学医学系研究科社会医学専攻医療コミュニケーション学教室博士課程修了。博士(医学)取得。立命館大学共通教育推進機構特別招聘准教授を経て、2020年より埼玉県立大学 保健医療福祉学部准教授。 修士在学時に解剖学と美術の知識を生かし、形成外科・美容外科の医師の下、メディカルイラストの制作を担当。医療や科学分野の情報伝達におけるビジュアルの効果・役割に関心を寄せ、博士課程にて研究に従事。現在は、ビジュアルを用いた医療コミュニケーションだけでなく、ビジュアルそのものが、社会全体へ与える影響を含めた包括的な研究に従事している。

ISBN:9784326050192
出版社:勁草書房
判型:4-6
ページ数:208ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年02月
発売日:2022年02月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:GT