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計算科学講座(第2部 計算科学の展開) 6

分子システムの計算科学

電子と原子の織り成す多体系のシミュレーション

監:金田 行雄
編:笹井 理生

紙版

内容紹介

分子とは何か。原子の基礎法則から分子の成り立ちを理解し、さらに新技術を開拓するには、分子の世界を計算機のなかに再現するシミュレーションが最も有力な方法の1つであろう。計算機の能力が飛躍的に向上した今では、この夢が現実のものとなりつつある。本書は、『計算科学講座』第6巻として、この夢を実現するための理論を第1章から第3章まで、3つの側面から紹介する。
第1章では、分子の構造と反応を化学的精度で計算するための量子力学を解説し、電子相関と基底関数の理論を中心に説明する。第2章では、分子が形を変え、離合集散して高次の構造をつくる様子を考えるための分子動力学の方法を解説する。時間積分の理論など計算の要点となる方法を説明する。第3章では、第1章と第2章の方法を総合した化学反応の理論を紹介する。遷移状態理論、ポテンシャル曲面の考え方から、QM/MM法やONIOM法までを展望する説明である。本巻の3つの章は、いずれも基礎的な概念の説明から始めてモダンな最新理論まで、体系的な解説を行っている。
本書は、現代的な計算科学の方法について考えようとする研究者、技術者に展望を与える専門書として、また、これから分子の計算を始めようとする学生、異分野の研究者にとってのガイドとなるよう企図された教科書である。

目次

第1章 電子状態の計算科学
1.1 序論 (柳井 毅)
1.2 基底関数展開 (天能精一郎)
1.3 結合クラスター理論および多体摂動論 (平田 聡)
1.4 多参照理論 (中野晴之)
1.5 密度汎関数理論 (安田耕二)

第2章 分子運動の計算科学(古明地勇人)
2.1 分子動力学法の基礎
2.2 時間積分法
2.3 力とポテンシャルの計算
2.4 アンサンブル
2.5 拘束と束縛
2.6 出力解析
2.7 第2章のまとめ

第3章 化学反応の計算科学(長岡正隆)
3.1 化学反応とその理論
3.2 化学反応の分子理論

ISBN:9784320122710
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:396ページ
定価:4400円(本体)
発行年月日:2010年11月
発売日:2010年11月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB