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パーソナルソフトウェアプロセス入門

著:W.S.ハンフリー
訳:PSPネットワーク

紙版

内容紹介

本書は、ソフトウェア工学入門の教科書である。知識の伝達は目的にせず、技能の獲得をガイドすることを目的にしている書物である。
ソフトウェア製品の開発では、合意したコストとスケジュールにしたがって、顧客の要求を満たす必要がある。本書はその方法を示している。
PSPは作業計画を立案し、作業を追跡する方法と、一貫して高品質のソフトウェアを作成する方法を示してくれる。 ちなみに原著者の著書「パーソナルソフトウェアプロセス技法」(共立)は、本書の上級の教科書で、大学院の学生と社会人を想定して書かれているものであり、その入門書ということになる。言うまでもなく、ソフトウェア工学は早い時期から学習するのが望ましく、本書を使用することで、たとえば特定のプログラミング言語を使ってプログラミングを指導するとき、エンジニアリング指導も同時に行うことができる。

[原著:Watts S.Humphrey: Introduction to the Personal Software Process、1997]

目次

学生まえがき,講師まえがき,序文,訳者序文

第1章 ソフトウェア技術者の仕事
1.1 ソフトウェア開発の定義
1.2 優れた開発技術が求められる理由
1.3 パーソナルソフトウェアプロセス
1.4 品質の高い作業のための規範
1.5 品質の高い作業の重要性
1.6 作業の品質を向上させる方法
1.7 改善プロセス
1.8 本書の方針
1.9 まとめ
1.10 課題1
参考文献

第2章 時間管理
2.1 時間管理の論理
2.2 時間の使い方の把握
2.3 エンジニアリングノート
2.4 ノートのデザイン
2.5 エンジニアリングノートの例
2.6 まとめ
2.7 課題2

第3章 時間の追跡
3.1 時間の追跡が必要な理由
3.2 時間データの記録
3.3 時間の追跡
3.4 標準的な時間記録ログの使用
3.5 中断の取り扱い
3.6 完了したタスクの追跡
3.7 エンジニアリングノートへの時間ログの記入
3.8 時間ログの記録に関するヒント
3.9 まとめ
3.10 課題3

第4章 期間計画と製品計画
4.1 期間計画と製品計画
4.2 週間活動概要
4.3 週間時間の要約
4.4 期間中の時間とレートの計算
4.5 週間活動概要の使用
4.6 まとめ
4.7 課題4

第5章 製品計画
5.1 製品計画の必要性
5.2 製品計画が有効な理由
5.3 製品計画の定義
5.4 本書での製品計画の立案
5.5 小さいジョブの計画立案
5.6 用語の定義
5.7 ジョブ番号ログ
5.8 ジョブ番号ログの使用に関するヒント
5.9 製品時間およびレートデータの使用
5.10 まとめ
5.11 課題5

第6章 製品規模
6.1 製品計画立案プロセス
6.2 規模測定
6.3 規模の尺度を使用する場合の注意
6.4 プログラム規模
6.5 その他の規模の尺度
6.6 プログラム規模の見積もり
6.7 大きな規模の見積もり
6.8 ジョブ番号ログでの規模の尺度の使用
6.9 まとめ
6.10 課題6

第7章 時間の自己管理
7.1 時間管理の要素
7.2 活動の分類
7.3 活動別時間データの収集
7.4 時間配分の評価
7.5 時間予算の作成
7.6 時間の捻出
7.7 基本原則の設定
7.8 時間の優先順位決定
7.9 時間予算の管理
7.10 変動時間の管理に対するヒント
7.11 時間管理の目的
7.12 まとめ
7.13 課題7

第8章 コミットメントの管理
8.1 コミットメントの定義
8.2 責任を持ったコミットメントの締結
8.3 コミットメントの例
8.4 産業界での例
8.5 コミットメントを果たせない場合の処理
8.6 コミットメント管理の重要性
8.7 コミットメントを管理しなかった場合の結果
8.8 コミットメントの管理方法
8.9 まとめ
8.10 課題8

第9章 スケジュールの管理
9.1 スケジュールの必要性
9.2 ガントチャート
9.3 プロジェクトスケジュールの作成
9.4 チェックポイント
9.5 プロジェクト計画の追跡
9.6 獲得価値の追跡
9.7 まとめ
9.8 課題9
参考文献

第10章 プロジェクト計画
10.1 プロジェクト計画の必要性
10.2 プロジェクト計画概要
10.3 概要
10.4 プログラム規模
10.5 工程別時間
10.6 見積もりの正確さ
10.7 まとめ
10.8 課題10
参考文献

第11章 ソフトウェア開発プロセス
11.1 プロセスを使用する理由
11.2 用語の定義
11.3 プロセススクリプト
11.4 チェックポイントと工程
11.5 更新されたプロジェクト計画概要フォーム
11.6 計画立案の例
11.7 累計計算の例
11.8 まとめ
11.9 課題11

第12章 欠陥
12.1 ソフトウェア品質の定義
12.2 欠陥と品質
12.3 欠陥の定義
12.4 欠陥とバグ
12.5 欠陥型
12.6 欠陥の理解
12.7 欠陥記録ログ
12.8 欠陥数のカウント
12.9 欠陥記録ログの使用
12.10 更新されたPSPプロセス
12.11 まとめ
12.12 課題12
参考文献

第13章 欠陥の発見
13.1 品質に対する個人的コミットメント
13.2 欠陥を発見するためのステップ
13.3 欠陥の発見および修正方法
13.4 コードレビュー
13.5 欠陥を早めに発見する理由
13.6 欠陥発見修正コスト
13.7 レビューによる欠陥の発見
13.8 コンパイル前のレビュー
13.9 コンパイル時欠陥数とテスト時欠陥数のデータ
13.10 更新されたPSPプロジェクト計画概要帳票
13.11 他の種類のレビュー
13.12 まとめ
13.13 課題13
参考文献

第14章 コードレビューチェックリスト
14.1 チェックリストが有効な理由
14.2 コードレビューチェックリストの例
14.3 コードレビューチェックリストの使用
14.4 個人用チェックリストの作成
14.4 パーソナルチェックリストの作成
14.5 チェックリストの改良
14.6 コーディング標準
14.7 まとめ
14.8 課題14

第15章 欠陥の予測
15.1 欠陥レート
15.2 欠陥データの使用
15.3 欠陥密度
15.4 欠陥レートの予測
15.5 欠陥見積もり
15.6 更新されたプロジェクト計画概要フォームと例
15.7 実際のデータの入力
15.8 まとめ
15.9 課題15
参考文献

第16章 欠陥除去の経済学
16.1 品質の高い作業の必要性
16.2 欠陥除去の問題
16.3 欠陥除去時間
16.4 欠陥作り込みと欠陥除去の経験
16.5 欠陥除去による節約
16.6 PSPプロジェクト計画概要の[欠陥数/時間]の計算
16.7 プロジェクト計画概要の[欠陥摘出率]の計算
16.8 欠陥除去レートの改善
16.9 欠陥作り込みレートの削減
16.10 まとめ
16.11 課題16
参考文献

第17章 設計欠陥
17.1 設計欠陥の性質
17.2 設計欠陥の特定
17.3 設計の定義
17.4 設計プロセス
17.5 設計欠陥の原因
17.6 設計欠陥の影響
17.7 設計表現
17.8 まとめ
17.9 課題17
参考文献

第18章 製品品質
18.1 品質第一
18.2 テスト
18.3 フィルターとしてのテスト
18.4 念入りな作業の利点
18.5 欠陥摘出率の計算
18.6 最終欠陥摘出率の見積もり
18.7 100%のプロセス欠陥摘出率の利点
18.8 欠陥摘出率の改善パターン
18.9 プロトタイピング
18.10 まとめ
18.11 課題18
参考文献

第19章 プロセス品質
19.1 プロセス尺度
19.2 欠陥除去の矛盾
19.3 欠陥除去戦略
19.4 品質のコスト
19.5 品質のコストの計算
19.6 失敗コストに対する評価コストの比(A/FR)
19.7 レビューレートの改善
19.8 真の品質のコストの計算
19.9 まとめ
19.10 課題19

第20章 品質に対する個人的コミットメント
20.1 品質の重要性
20.2 低品質による危険の増大
20.3 品質に対するコミットメントの締結
20.4 個人的目標
20.5 業績に対する報酬
参考文献

索引

ISBN:9784320120136
出版社:共立出版
判型:菊判
ページ数:288ページ
定価:3700円(本体)
発行年月日:2001年05月
発売日:2001年05月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UB