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高校数学の不都合な真実

素因数分解と円周率のはなし

著:有木 進

紙版

内容紹介

――あなたは、その証明を信じますか?

 高校数学で学ぶ証明の中には、論理的に誤りがあると指摘され続けているものが含まれている。本書では、“素因数分解”“円周率”という二つの例を取り上げ、高校数学に潜む論理的瑕疵を詳らかにし、その回避方法を提示する。

 論理的演繹で完結するイデアの世界“数学”。他方、経験則が妥当性の根拠となりうる諸科学や現実世界。交差する二つの世界に介在する矛盾に焦点を当てた、異色作。

目次

I部 素因数分解のはなし

1章 素因数分解とは何か
1.1 因数分解と既約分解
1.2 既約な整数と整数の既約分解の例
1.3 既約な多項式と多項式の既約分解の例

2章 整数の既約分解の存在と一意性
2.1 拡張ユークリッド互除法
2.2 整数の既約分解の存在と一意性

3章 因数分解を考えられる枠組み
3.1 可換環と整域
3.2 ガウス整数環
3.3 ガウス整数の拡張ユークリッド互除法
3.4 ガウス整数の既約分解の存在と一意性
3.5 既約分解の一意性が成り立たない例

4章 多項式の既約分解
4.1 一変数多項式の既約分解の一意性
4.2 最大公約式と最小公倍式
4.3 多変数多項式の既約分解の一意性
4.4 抽象代数学へのいざない

II部 円周率のはなし

5章 ユークリッド空間
5.1 ニュートンの力学モデルと円錐曲線
5.2 積分とは何か
5.3 広義積分
5.4 曲線分の弧長と円周率の定義

6章 弧度法と三角関数の定義
6.1 三角関数の定義
6.2 三角関数の微分
6.3 指数関数の定義

7章 定義域の複素数への拡張
7.1 冪級数と収束半径
7.2 指数関数と三角関数のマクローリン展開
7.3 オイラーの公式
7.4 円周率の種々の公式
7.5 2013年度大阪大学前期理系入試問題
7.6 解決策

8章 あとがきに代えて
8.1 バナッハ・タルスキーの定理
8.2 選択公理

ISBN:9784320115569
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:120ページ
定価:2000円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月05日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PB