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連携する数学 1

脳のなかに数学をみる

編:北海道大学数学連携研究センター
著:津田 一郎

紙版

内容紹介

 本書はよく見られる脳の数理モデルに関するものではなく,脳の中に数学そのものを見出すという視点で書かれている。
 文体もできるだけ平易に,また随所に脳のダイナミクスの意味を解明するために必要な数学が何であるかを明記している。
 また,研究者に関するエピソード,個人的経験,裏話なども適宜盛り込むことで,「楽しんで」読めるように工夫した。数学と諸科学の連携の書という位置づけである。

目次

第1章 複雑系と脳科学の交差:数学の役割
1.1 本書の概要とねらい
1.2 コミュニケーションにみる心脳問題
1.3 ダイナミックに変化する複雑系としての脳
1.4 複雑系研究の流れと数学
1.5 二つの複雑システム
1.6 複雑現象の数理的方法

第2章 力学系ミニマル

第3章 天気予報のカオス ―ロレンツカオスをめぐって―
3.1 ロレンツカオス
3.2 ロレンツアトラクターの次元(I)

第4章 非整数次元
4.1 次元の測り方:ハウスドルフ次元の考え方
4.2 カントル集合とその次元
4.3 ロレンツアトラクターの次元(II)
4.4 カントル集合のダイナミクスによる作り方 ―スメイルの馬蹄形写像―
4.5 カオスの概念
4.6 カオスの中の数
4.7 ロレンツカオス発見の本質と複雑系の見方
4.8 擬軌道追跡性

第5章 脳活動のダイナミクスとカオス
5.1 脳におけるカオス理論の意義
5.2 過程から作られる状態

第6章 アトラクター崩壊によるカオス遍歴とその脳機能への役割
6.1 遍歴
6.2 記憶はミルナーアトラクターか?
6.3 神経方程式のなかのカオス遍歴
6.4 においのカオス遍歴

第7章 ヒトが論理間違いをする理由 ―カオス力学系の観点から―
7.1 短期記憶とカオス
7.2 思考・記憶・時間
7.3 ヒトの思考の特徴 ―数学はちゃんと学ばなければならない―

第8章 認知の限界
8.1 観測概念の一つの定式化:斜積変換
8.2 構造安定性と記述不安定性
8.3 記述安定性
8.4 同定と自己言及

関連図書 / 索引

ISBN:9784320110502
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:180ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2016年07月
発売日:2016年07月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBK