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シリーズ先端ディスプレイ技術 1

ディスプレイの基礎

編:大石 巖
編:畑田 豊彦
編:田村 徹

紙版

内容紹介

表示される情報の品質評価(画質評価)は、各種ディスプレイシステムやディスプレイデバイスの開発・設計・製造にたずさわる方々、また、それらのユーザとしての立場にある方々にとって共通のベースとなるテーマである。
 今日ディスプレイといえば、通常、視覚情報表示であり、そのパフォーマンスの良しあしは、人間が見てどのように感じ、認めるかによって決まるというのが原点である。したがって、まず人間の視覚の心理・生理的性質についての基本的な理解をもつことが重要である。そしてそれをベースに、各種表示品質要因を適切な心理的言葉で表し、その評価は主観評価試験とその結果の統計的解析により求めるのが基本となる。
 しかしながら、主観評価試験は評定者の主観による評価であるため、信頼性の高い評価結果を得るためには、評価の準備・実施に多くの評定者と長い時間が必要となる。そこで通常の商品開発・設計や製造の現場では、主観評価結果とできるだけ相関の高い値を与える心理物理量または物理量を見いだし、これらを測定することによって評価する客観的測定・評価が便利であり、実際的である.視覚情報表示のディスプレイの客観的測定・評価において、ベースになるのは、視覚によって捉えられる光の強度や特性を測定する測光・測色である。
 本書は、これら画質評価に関連する事柄と技術の概要を総合的に解説するものである。ディスプレイの表示品質(画質)とその評価についての理解を深め、また、実際の評価・測定を準備し実行する研究者、技術者にとって必読の書である。

目次

第1章 概説
1.1 ディスプレイとは
1.2 ディスプレイ技術の沿革と用途の展開
1.3 ディスプレイシステムに要求される一般的事項
1.4 ディスプレイの基本機能と表示方式
1.5 ヒューマンインタフェースとしてのディスプレイの種類  

第2章 画像システムと画質要因
2.1 画像システム概論  
2.2 画像情報の電気信号化  
2.3 ディスプレイの観視環境条件  
2.4 各種画質要因と関連する諸特性 

第3章 ディスプレイに関連する視覚の性質の概要
3.1 視覚系の構造と視覚の基本機能 
3.2 ディスプレイに関連する視覚の性質 

第4章 測光・測色の基礎
4.1 測光量の定義と基本単位  
4.2 測色の基礎  
4.3 マンセル表色系  
4.4 CIE表色系  
4.5 均等な表色系  
4.6 色温度と相関色温度  

第5章 ディスプレイ画質の客観的測定・評価法
5.1 概要  
5.2 客観的測定・評価法  
5.3 最大輝度とコントラスト比  
5.4 階調特性  
5.5 色に関する測定  
5.6 解像特性  
5.7 時間応答性および残光特性  
5.8 測定規格  

第6章 ディスプレイ画質の主観的測定・評価法
6.1 概説  
6.2 主観評価と画質の要因  
6.3 主観評価法 
6.4 観視条件、評定者、標準画像  
6.5 測定データの解析  
6.6 総合画質と単独画質  

付録

ISBN:9784320086029
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:276ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2001年12月
発売日:2001年12月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TJF