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マテリアルズインフォマティクス

編:伊藤 聡
他著:吉田 亮
他著:劉 暢

紙版

内容紹介

現在、学問的にも産業界的にもマテリアルズインフォマティクスが注目されている。マテリアルズインフォマティクスは、データ科学に基づく材料工学・物質科学であり、材料開発を効率化し、物性を理解する上で新たな視点を与えるものである。このようなマテリアルズインフォマティクスを理解し、使いこなすためには、マテリアルズインフォマティクス特有の概念を理解する必要がある。その中で最も重要なものが記述子であるが、これを適切に記述することは難しい。
本書では物質の記述方法とその利用法について俯瞰的に説明したあと、離散数学に基づく物質の記述法、もっとも基本的な物質記述である結晶構造の探索手法について述べる。また、それらを実践的に体得することができるようGitHub等を参照できるようになっており、材料開発の実践に役立つ一冊となっている。

目次

第1章 機械学習による材料の表現・学習・生成
1.1 はじめに
1.2 本章のねらい
1.3 記述子:物質・材料の数値表現
 1.3.1 化学構造の記述子
 1.3.2 組成記述子・構造記述子
 1.3.3 分子や結晶のグラフ表現とニューラルネットワーク
1.4 順方向の予測と仮想スクリーニング
 1.4.1 適用例:ポリマーの物性予測
 1.4.2 適用例:無機化合物の物性予測
 1.4.3 適用例:準結晶を形成する組成の予測
1.5 転移学習
 1.5.1 ニューラルネットワークを用いた転移学習
 1.5.2 訓練済みモデルライブラリXenonPy.MDL
 1.5.3 転移学習の適用例:無機化合物の格子熱伝導率
 1.5.4 転移学習の適用例:ポリマーと無機化合物の屈折率
 1.5.5 転移学習の適用例:ポリマーの熱伝導率
1.6 逆問題:機械学習による分子の生成
 1.6.1 化学構造の設計:仮想ライブラリの作製
 1.6.2 遺伝的アルゴリズム
1.7 ベイズ推論に基づく分子設計:iQSPR-X
 1.7.1 尤度関数:順方向の予測
 1.7.2 確率的言語モデルによる構造生成
 1.7.3 所望の特性を有する化学構造の生成
 1.7.4 適用例:高熱伝導高分子の探索
 1.7.5 適用例:所望の熱特性をもつ高分子材料のモノマー設計
1.8 深層生成モデルによる分子生成
 1.8.1 再帰型ニューラルネットワーク
 1.8.2 変分オートエンコーダ
 1.8.3 その後の研究動向
1.9 MIにおける様々な逆問題
 1.9.1 材料微細組織の予測と制御
 1.9.2 有機化合物の合成経路探索
 1.9.3 結晶構造探索
 1.9.4 準結晶を形成する化学組成の予測
 1.9.5 ボルツマン生成器
1.10 まとめ
参考文献

第2章 位相幾何学による物質記述HomCloud
2.1 はじめに
2.2 HomCloudの入手
2.3 HomCloudの構成
2.4 HomCloudの基本的な使い方
 2.4.1 Point Cloudデータの解析
 2.4.2 2次元の白黒二値画像の解析
 2.4.3 3次元の白黒二値画像の解析
 2.4.4 グレースケール画像の解析
 2.4.5 パーシステント図のベクトル化
2.5 HomCloudの応用例
 2.5.1 分子の形の分別
 2.5.2 主成分分析による白黒二値画像の特徴抽出
 2.5.3 グレースケール画像からの粒子位置の取り出し
2.6 付録
 2.6.1 機能についての補足
 2.6.2 コマンドラインモジュールに相当するPythonモジュール
参考文献

第3章 結晶構造探索ツールCrySPY
3.1 はじめに
3.2 CrySPY
 3.2.1 CrySPYについて
 3.2.2 動作環境
 3.2.3 インストール
3.3 ランダムサーチ
 3.3.1 ランダム構造生成手法
 3.3.2 CrySPY実行に必要な入力ファイル
 3.3.3 CrySPYの初回実行:初期構造生成
 3.3.4 CrySPYの再開:構造最適化
 3.3.5 その他の機能
 3.3.6 計算結果解析
3.4 進化的アルゴリズム
 3.4.1 世代交代
 3.4.2 CrySPYで進化的アルゴリズムを実行
 3.4.3 計算結果解析
3.5 ベイズ最適化
 3.5.1 ベイズ最適化による構造探索手法
 3.5.2 CrySPYでベイズ最適化を実行
 3.5.3 計算結果解析
 3.5.4 ベイズ最適化の難しさ
3.6 LAQA 
 3.6.1 Look Ahead based on Quadratic Approximation
 3.6.2 CrySPYでLAQAを実行
 3.6.3 計算結果解析
3.7 その他tips
 3.7.1 進化的アルゴリズムによる構造の途中追加
 3.7.2 CrySPYを自動的に繰り返し実行する
 3.7.3 kpt_check.pyの使い方
参考文献

索引

ISBN:9784320072022
出版社:共立出版
判型:B5
ページ数:202ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2022年08月
発売日:2022年08月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC