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物性論入門

著:石井 晃

紙版

内容紹介

物性物理学は、理工系、場合によってはさらに広い分野で基礎として必要になる。そこで本書は、広く理工系一般の学生が、それぞれの専門でかかわる物質についての理解を、物性物理学の考え方を使ってより深められるように留意した。初めの3章では、日常ありふれた現象の一つ一つが原子間力や電子構造に由来していることを説明し、後の章へ読み進む動機付けとした。また、4章以降の各章でも、扱う対象を思い切って絞り込み、これだけはという要点について詳しい説明をしている。

目次

第1章 物質
1.1 物性論をなぜ学ぶか?
1.2 原子の集合
1.3 原子は量子力学で理解する
1.4 原子-原子結合はある程度古典力学で理解できる
1.5 どこに量子力学が必要か

第2章 物質の性質
2.1 構造
2.2 化学組―構成している元素の性質のどこまでわかるか
2.3 重さ(密度)
2.4 硬さ
2.5 色
2.6 熱膨張
2.7 圧力変化
2.8 磁性
2.9 電気伝導
2.10 熱伝導
2.11 発光

第3章 物質の性質を決めるもの
3.1 原子間力
3.2 原子間力の計算
3.3 電子状態とは
3.4 複数の電子の状態
3.5 角運動量ごとの電子状態
3.6 物質の中の電子状態
3.7 スピン

第4章 物質の原子構造
4.1 周期性
4.2 X線回折
4.3 単位格子
4.4 代表的な結晶構造

第5章 回折実験と結晶構造の逆空間
5.1 回折実験
5.2 1次元結晶の回折
5.3 逆格子
5.4 斜方格子の逆格子ベクトル

第6章 結晶の電子状態
6.1 自由電子近似
6.2 電子の波数の和と積分
6.3 フェルミ・エネルギー
6.4 電子の状態密度
6.5 周期場中の電子状態
6.6 ブロッホの定理
6.7 逆格子ベクトル
6.8 バンドギャップ
6.9 強く束縛された電子の状態
6.10 電子のバンドという概念
6.11 電子の詰まったバンドと空のバンド
6.12 半導体のバンド構造
6.13 不純物のレベル

第7章 電気伝導
7.1 古典的に考えた電子の運動
7.2 波束の運動
7.3 電場中の電子の運動
7.4 電気伝導の本質
7.5 電気抵抗
7.6 電気伝導の量子論
7.7 メゾスコピック系の電気伝導
7.8 半導体の伝導電子
7.9 正孔

第8章 物質の硬さ、柔らかさ
8.1 応力
8.2 物質の変形の定量化
8.3 歪みの定量的定義
8.4 弾性
8.5 弾性の微視的モデル

第9章 固体の熱振動
9.1 原子の熱運動
9.2 固体の比熱:デュロン-プティの法則
9.3 エネルギー等分配則
9.4 固体の比熱:アインシュタインモデル
9.5 格子振動:1次元単原子鎖
9.6 格子振動:2原子1次元鎖の場合
9.7 フォノン
9.8 固体の比熱:デバイモデル

第10章 磁性
10.1 磁性体
10.2 反磁性
10.3 常磁性
10.4 強磁性
10.5 様々な磁性

ISBN:9784320034037
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:184ページ
定価:2400円(本体)
発行年月日:2001年04月
発売日:2001年03月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHM