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マクスウェル・場と粒子の舞踏

60小節の電磁気学素描

著:吉田 武

紙版

内容紹介

力学と電磁気学は古典物理の両輪であり、共に応用に広く基礎に深い。中でも「場の理論」である電磁気学は、マクスウェル方程式の解析に必須である数学に、一書を要する程の準備が必要なため、小冊子では自己充足した独習書の形式を採り難い。また、相対論及び量子力学に直結する理論形式と、現代文明の全分野に跨る応用面との調和をとる事も難しい。
 本書は、『ケプラー・天空の旋律』に続く、見開き二頁で一主題が完結する「素描シリーズ」の第二弾として、マクスウェル方程式を軸に、数学的準備から応用に至るまで、天下りの記述を廃し、独習に必要な内容を一冊に集約した世界最高密度の電磁気学の入門書である。読了は決して容易ではないが、他書を必要とせず、計算の要点も明瞭に示されているため、上滑りでない本質的な理解に至り得る。また、学部入学から大学院修士課程までの六年間に必要な数学がほぼ網羅されているため、物理数学の入門書としても大いに活用できる。

目次

1 オイラーの公式
2 デカルト座標
3 ベクトルの変換性
4 ハミルトンの演算子
5 ベクトル恒等式
6 直交曲線座標系
7 座標系の具体例
8 ストークスの定理
9 グリーンの恒等式
10 ヤコビアンと変数変換
11 フーリエ変換
12 ラプラス変換と積分
13 ディラックのデルタ関数
14 ラプラス方程式
15 調和関数
16 ポアソン方程式とグリーン関数
17 ヘルムホルツの分解定理
18 コーシー-リーマン方程式
19 解析関数の微積分
20 ポアソン積分
21 変数分離法
22 ルジャンドル関数・ベッセル関数
23 レイリーの公式
24 ニュートン力学素描
25 力のポテンシャル
26 フックの法則・調和振動子
27 波動方程式とグリーン関数
28 J.C.マクスウェル
29 マクスウェル方程式
30 電荷の保存法則
31 遠隔作用と近接作用
32 クーロンの法則
33 ガウスの法則
34 力線の幾何学
35 ビオ-サヴァールの法則
36 電磁波
37 誘電体・磁性体
38 MKSA単位系
39 ゲージ変換
40 ポインティングの定理
41 場と粒子の舞踏
42 オームの法則
43 ボルタの電池
44 導体系の一般論
45 静電容量
46 鏡像法・等角写像の応用
47 キルヒホッフの法則
48 アハラノフ-ボーム効果
49 長岡係数
50 相互インダクタンス
51 交流回路
52 発電機・電動機
53 フランクリンの凧
54 電気音響変換
55 先進・遅延ポテンシャル
56 電気双極子放射
57 八木-宇田アンテナ
58 光学の基礎
59 鉱石ラヂオ
60 アインシュタインの相対性理論

附録 マクスウェル・年譜
附録 定数・近似式
附録 特殊関数

ISBN:9784320034006
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:144ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:2000年11月
発売日:2000年11月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PHK