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物理学演習One Point 4

運動量保存と“非保存”

著:金子 敏明

紙版

内容紹介

物理学で最も重要な概念の一つである運動量について,粒子の運動量,一般化運動量,波動が持つ運動量,演算子としての運動量など,とらえ方の変遷と発展を古典力学から量子力学まで,分野横断的に解説した演習書である。
基本事項をできるだけわかりやすく説明し,解もていねいに述べた。随所にコメントを入れ,問題の内容に関連した情報や解答にあたって注意する点にも配慮した。

目次

1章 質点(系)の運動量
1.1 速度と加速度
1.2 スカラー量とベクトル量
1.3 質点の運動量とニュートンの運動方程式
1.4 ガリレイ変換と運動量保存
1.5 仕事とエネルギー
1.6 ポテンシャルエネルギーと保存力
1.7 実験室系(L系)と質量中心系(重心系,CM系)
1.8 気体の分子運動と圧力,温度

2章 一般化運動量,相対論的粒子と電磁場の運動量
2.1 ラグランジュの運動方程式とハミルトンの正準運動方程式
2.2 特殊相対性理論,時空構造とローレンツ変換
2.3 ローレンツ収縮(長さの収縮)と時間の遅れ
2.4 相対論的自由粒子のラグランジアン,運動量とエネルギー
2.5 4元ベクトル
2.6 電磁場とマクスウェルの方程式
2.7 ベクトルポテンシャルとスカラーポテンシャル,ローレンツ力

3章 波動と演算子
3.1 波動
3.2 波数,角振動数と分散関係
3.3 光量子と物質波
3.4 波動の分解と合成
3.5 演算子の固有値と固有関数
3.6 交換関係と同時固有関数

4章 波動関数と散乱の量子論
4.1 波動関数の確率解釈と力学量
4.2 運動量(波数)空間での波動関数
4.3 演算子の期待値
4.4 シュレーディンガーの波動方程式
4.5 ブロッホの定理と結晶運動量
4.6 散乱の量子論(ボルン近似)

5章 運動量の”非保存”と素励起の分散関係
5.1 反射と屈折
5.2 空間的周期性と”みかけの運動量”
5.3 結晶の周期性と逆格子
5.4 X線のブラッグ反射
5.5 運動量移送とエネルギー移送
5.6 フォノン(格子運動)
5.7 電子ガスとフェルミ運動量
5.8 プラズモン
5.9 量子線のエネルギー損失と素励起の分散関係

演習問題解答

ISBN:9784320033634
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:140ページ
定価:1900円(本体)
発行年月日:1999年01月
発売日:1999年01月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH