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カオス科学の基礎と展開

複雑系の理解に向けて

著:井上 政義
著:秦 浩起

紙版

内容紹介

カオス科学の基礎から応用、それに歴史から思想までを一貫した立場から解説した教科書。
カオス科学は理学や工学のみではなく、医学さらには農学などにも広く応用されてくるであろうという観点に立ち、大気対流、昆虫の個体数変動、星の運行におけるカオス現象から説き起こし、カオス理論を解説して、カオス同調やカオス制御さらにはニューラル・ネットワークへの応用など最近のトピックスも紹介した。
また、カオスや複雑系科学の思想を理解するための科学哲学も解説した。

目次

第0章 序論
0.1 カオスの歴史
0.2 運動の分類とラプラス的決定論
0.3 力学系の規則運動
0.4 カオスはどこにみいだされるか
第1章 カオス力学系
1.1 大気の対流モデルとカオス
1.2 昆虫の個体数変動とカオス
1.3 2連星の月の運動とカオス
第2章 1次元写像とカオス
2.1 カオスの非周期性と軌道不安定性
2.2 ロジスティック写像のカオスと分岐
2.3 1次元写像の分岐とカオス
第3章 散逸力学系のカオス
3.1 相空間と運動
3.2 ストレンジアトラクター
3.3 2次元写像とカオスの構造
3.4 カオスの発生と分岐
3.5 カオスの揺らぎと構造
3.6 散逸力学系の例
第4章 保存力学系のカオス
4.1 保存系の相空間
4.2 トーラスの崩壊とカオスの海
4.3 保存系カオスの特徴
4.4 保存系カオスの例
第5章 カオスの応用と複雑系
5.1 カオスの同調
5.2 カオスの制御
5.3 カオスによる拡散
5.4 一般化シフト写像によるコンプレックス・カオス
5.5 セル・オートマトンの計算万能性と結合系の臨界現象
5.6 カオス結合系を素子としたニューラルネットワーク
5.7 マルチ・エージェントシステムにおけるカオスと適応進化
第6章 科学における認識と言語
6.1 実対象,モデルおよびシミュレーション・プログラム
6.2 ウィントゲンシュタインの言語写像論と言語ゲーム論
6.3 実証性,反証可能性およびパラダイム論
6.4 ホーリズム,オルガニズムおよび解釈学
付録

ISBN:9784320033238
出版社:共立出版
判型:B5
ページ数:272ページ
定価:4800円(本体)
発行年月日:1999年01月
発売日:1999年01月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH