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南山大学学術叢書

多群連続モデルにおける多重比較法

著:白石 高章

紙版

内容紹介

多群モデルの分散分析法では,平均の一様性の帰無仮説の検定が行われ,帰無仮説が棄却されても,どの群とどの群に平均の違いがあるか判定できない。また,位置パラメータの信頼領域は楕円の内部で与えられるため,明解な違いを検出できない。これに対して,多重比較検定は,どの群とどの群に違いがあるか判定ができ,位置パラメータの同時信頼領域も区間で与えられるため,平均の違いを明示できる。ところが,多重比較の定義と理論が厄介であるため,残念なことに間違った数式や手法がこれまでに広められてきた。本書ではその間違いを正し,著者による提案を含むより有用な手法を紹介する。

目次

第1章 連続型の確率分布
1.1 確率分布の基礎
1.2 標本観測値の分布
1.3 乱数生成のための変換
1.4 確率的収束の記号

第2章 1群問題
2.1 モデルの設定
2.2 正規母集団での最良手法
2.3 ノンパラメトリック法

第3章 2群問題
3.1 モデルの設定
3.2 正規母集団での最良手法
3.3 ノンパラメトリック法
3.4 漸近相対効率
3.5 データ解析
3.6 頑健性(ロバスト,robustness)

第4章 分散分析法,対応するノンパラメトリック法と分布探索
4.1 モデルの設定
4.2 分散分析法
4.3 ノンパラメトリック法
4.4 分布探索
4.5 正規性の検定

第5章 すべての平均相違に関する多重比較法
5.1 モデルと考え方
5.2 テューキー・クレーマー(Tukey-Kramer)の方法
5.3 ノンパラメトリック法
5.4 2群の統計手法を繰り返した場合のタイプI FWERと信頼係数
5.5 閉検定手順

第6章 対照群の平均との相違に関する多重比較法
6.1 モデルと考え方
6.2 ダネット(Dunnett)の方法
6.3 ノンパラメトリック法
6.4 2群の統計手法を繰り返した場合のタイプI FWERと信頼係数
6.5 閉検定手順

第7章 すべての平均に関する多重比較法
7.1 モデル
7.2 正規分布の下でのパラメトリック法
7.3 ノンパラメトリック法
7.4 1群の統計手法を繰り返した場合のタイプI FWERと信頼係数
7.5 閉検定手順

第8章 すべての対比(contrast)に関する多重比較法
8.1 モデルと考え方
8.2 シェフェ(Scheffé)の方法
8.3 順位に基づく手法

第9章 データの解析
9.1 多群連続モデルのデータ
9.2 すべての平均相違に関する多重比較法
9.3 対照群の平均との多重比較法
9.4 分散分析法,対応するノンパラメトリック法と分布の探索,結論

付録A 数学的基礎理論
A.1 正規母集団での統計量の分布
A.2 極限定理

付録B 上側100α%点を求める実行可能形式のプログラムと数表

ISBN:9784320019805
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:2011年12月
発売日:2011年12月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBT