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共立講座 21世紀の数学 23

幾何学的トポロジー

著:本間 龍雄

紙版

内容紹介

「無限と連続」は、数学者がでっち上げた虚の世界と思っている人 が多い。だが文明の初めから、無限と有限、連続と離散の間を人間 は揺れ動いている。現代の情報化社会でも、アナログとデジタルの 対立としてその流れは続いている。無限を有限化し、連続を離散化 する戦いの最前線に立つ数学がトポロジーである。
本書は、なかでも3次元多様体に関する話題にしぼり、豊富に図 を用いて基礎から最新の成果までを紹介している。 20世紀における大きな成果の一つが、3次元多様体の基本予想、 三角形分割問題の解決である。その結果、3-多様体の位相構造、 PL構造、微分構造の間のギャップがなくなり、離散化の道が切り開 かれた。だが、まだ21世紀に残された課題もある。その一つが、3-多様体間の連続写像の離散化である。良い写像は、この課題に 対する問題提起である。

目次

1.3次元の幾何学的トポロジー
1.1 ユークリッド空間
1.2 多様体
1.3 ホモトピー
1.4 ユークリッド空間のトポロジー
1.5 複体
1.6 PL多様体と正則近傍
1.7 連続写像を飼い慣らす
2.レンズ空間
2.1 基本群
2.2 レンズ空間
3.3次元多様体についての基本予想
3.1 状況の説明と概念の確認
3.2 2次元複体の近似定理1
3.3 2次元複体の近似定理2
3.4 基本予想の解決
3.5 定理3.15について
4.球面の裏返し
4.1 閉曲線は裏返せない
4.2 球面は裏返すことができる
5.ハンドル分解
5.1 ハンドルとハンドル分解
5.2 3次元多様体の三角形分割とハンドル分解
5.3 ハンドルのキャンセル
5.4 ハンドル体とへゴール分解
5.5 モース関数とハンドル分解
6.スミスの定理
6.1 スミスの予測
6.2 周期写像
6.3 結び目
6.4 被覆空間
6.5 非可縮曲面とザイルフェルト多様体
6.6 予想から定理へ
7.良い写像
7.1 序
7.2 良い写像の定理
7.3 良い写像による近似
7.4 補題7.6(n=2)の証明
7.5 補題7.6(n=3)に使うトリック
7.6 分岐点のあみだくじ表示
7.7 補題7.6(n=3)の証明
7.8 良い写像とハンドル分解
7.9 写像度が0でない連続写像f:S3→N2
7.10 21世紀へのプラン
あとがき
索引

ISBN:9784320015753
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:270ページ
定価:3800円(本体)
発行年月日:1999年01月
発売日:1999年01月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PBP