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これからレポート・卒論を書く若者のために 第2版

著:酒井 聡樹

紙版

内容紹介

学生必携,『これレポ』大改訂第2版!!
本書は,ロングセラー『これからレポート・卒論を書く若者のために』の大改訂第2版である。
2007年刊行の初版は19刷まで版を重ね,多くの若者に読み継がれてきた。第2版には,初版刊行以降,新たに培われた著者の経験や思考がすべて込められている。
良いレポート・卒論を書くためにはまず,レポート・卒論とは何かを知ることが大切である。どういうことを書くことを求められているのか。どういう心構えをもって書くべきなのか。そして次に,レポート・卒論を書くために必要なことを学ばなければならない。序論・本論・結論等で書くべきこと,読者を説得するために必要なこと,などなど,知っておかなくてはいけないことはたくさんあるのだ。むろん,わかりやすい文章を書くための技術も身につけなくてはいけない。本書は,こうしたことをすべて盛り込み,これからレポート・卒論を書くにあたり必要なことを網羅している。
本書第2版では,説明の内容と説明の仕方を大幅に練り直した。たとえば,ほとんどの章の冒頭に要点をまとめたボックスを置き,大切な部分がすぐに理解できるようにした。例の説明では,良い例・悪い例・良い例をわざと改悪した例・悪い例を改善した例を示し,どこに問題があるのかを明確にしている。
また,初版はどちらかというと卒論寄りだったが,第2版ではレポートに関する説明を充実させ,【大学で書くであろうあらゆるレポートに役立つ】ものとなった。
本書は,レポート・卒論の書き方に関しての著者の到達点である。理系・文系問わず,レポート・卒論を書く若者にとって,そして,レポート・卒論の指導にかかわる教員にとって,必携の書となろう。

目次

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第1部 レポート・卒論を書く前に
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第1章 レポート・卒論とは何か
1.1 レポート・卒論は学術文書である
1.2 レポートの種類と目的
  1.2.1 学術的・社会的問題を提起し、それに解答するレポート
  1.2.2 学術的・社会的事柄を取り上げ、それについて説明するレポート
1.3 解答レポートのあり方
  1.3.1 調べただけのレポート
  1.3.2 良いレポートの例
1.4 卒論とは
1.5 レポート・卒論の読者

第2章 なぜ、レポート・卒論を書くのか
2.1 問題提起する能力を養う
2.2 問題に対して解答する能力を養う
2.3 取り組んだ問題に関する知識・理解・考えを深める
2.4 学術論文やビジネス文書などを書くための文章力を養う
2.5 これらに加え卒論では

第3章 わかりやすいレポート・卒論を書こう
3.1 レポート・卒論は、読者にわかってもらうために書く
3.2 わかりやすいレポート・卒論を書くために大切なこと
  3.2.1 わかりやすくしようという意識を持つ
  3.2.2 読者を想定する

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第2部 研究の進め方
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第1章 取り組む問題の決め方
1.1 取り組むべき問題の条件
  1.1.1 あなたが面白いと思う
  1.1.2 役に立つ、または知的好奇心をそそる
  1.1.3 多くの人がその解答を知りたくなる
  1.1.4 部分的にせよ解答できる
1.2 取り組む問題の見つけ方

第2章 研究の進め方
2.1 仮説を立て、それを検証する
  2.1.1 仮説とは何か
  2.1.2 どうして仮説を立てるのか
2.2 研究を進める手順
2.3 次に繋げることも大切

第3章 文献検索の仕方
3.1 利用すべき文献媒体
  3.1.1 論文
  3.1.2 書籍
  3.1.3 インターネットのサイト
3.2 文献検索の方法

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第3部 レポート・卒論の書き方
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第1章 レポート・卒論の構成
1.1 基本的な構成
1.2 本論の構成
  1.2.1 自分でデータを取ったり解析したりした場合
  1.2.2 それ以外の場合
1.3 章立てをしよう

第2章 構想の練り方
2.1 得られたデータ・事実を元に、結論およびそれを導く論理を定める
2.2 結論に対応するよう、取り組む問題を決め直す
2.3 話の流れを作る

第3章 説得力のある主張とは
3.1 そう主張する理由を述べている
3.2 理由は、確かなデータ・事実に基づいている
3.3 理由は論理的である
  3.3.1 論理的に成り立つ主張をしている
  3.3.2 その主張が否定される可能性も検討している
3.4 他の仮説と比較して、その仮説の方が確からしいといえる
3.5 確かな主張と推測とを区別する

第4章 序論の書き方
4.1 序論では何を書くべきなのか
  4.1.1 どうしてやるのかを説得する
  4.1.2 どうしてやるのかの説得のために必要な情報
4.2 序論の5つの骨子
4.3 悪い序論の例
  4.3.1 序論がない
  4.3.2 取り組む問題を述べていない
  4.3.3 その問題に取り組む理由を述べていない
  4.3.4 興味・関心を抱いたから/わかっていないからやるのか
  4.3.5 問題解決のための着眼を述べていない
  4.3.6 問題解決のために何をやるのかを述べていない
4.4 説得力のある序論にするために
  4.4.1 序論の骨子の練り方
  4.4.2 その問題に取り組む理由を説明するために
4.5 説明レポートの序論
  4.5.1 序論は必要
  4.5.2 どうしてやるのかの説得のために必要な情報
  4.5.3 序論の3つの骨子
  4.5.4 悪い序論の例
  4.5.5 例外的な序論

第5章 タイトルの付け方
5.1 良いタイトルを付けよう
5.2 良いタイトルとは
5.3 良いタイトルの付け方:解答レポート・卒論の場合
  5.3.1 タイトルに入れる情報
  5.3.2 良いタイトルの例
  5.3.3 悪いタイトルの例
  5.3.4 より良いタイトルにするコツ
5.4 良いタイトルの付け方:説明レポートの場合
  5.4.1 説明対象および結論的なことを述べる
  5.4.2 どういうことを説明するのかを短くまとめる
  5.4.3 何について説明するのかを示すだけでは駄目

第6章 研究方法の説明の仕方
6.1 研究方法の説明を書く目的
  6.1.1 研究方法が適切であることを示す
  6.1.2 読者が研究を再現できるようにする
  6.1.3 研究方法を的確に理解していることを示す
6.2 読者に示すべき情報
  6.2.1 研究対象
  6.2.2 実験・調査の狙い
  6.2.3 実験・調査の方法
  6.2.4 データ解析の方法
  6.2.5 複数の実験・調査を行ったとき

第7章 結果の説明の仕方
7.1 結果の章を書く上で心がけること
7.2 結果の章で書くこと
  7.2.1 わかりやすい形にまとめたデータ等
  7.2.2 解析結果の説明
  7.2.3 結果のまとめ
7.3 各項目の書き方
  7.3.1 結果のまとめが必要な場合
  7.3.2 結果のまとめが不要な場合
7.4 結果の章で書くべきではないこと
  7.4.1 研究方法の説明をしない
  7.4.2 結果の解釈をしない
7.5 複数の結果を示すときの提示順

第8章 考察の進め方
8.1 考察の章を書く目的
8.2 考察の章の構成
8.3 考察の章で書くこと
  8.3.1 問題解決のためにやったことの結果の検討と、取り組んだ問題への解答
  8.3.2 その問題に取り組んだ理由への応え
  8.3.3 今後の発展
8.4 各項目を書く順番
  8.4.1 結論を冒頭に書く
  8.4.2 問題解決のためにやったことの結果の検討を先にする
8.5 考察の章を書くときの注意事項
  8.5.1 結果の章で提示したすべてのデータ等を使って議論する
  8.5.2 結果をまとめた「短い言葉」を使って議論する
  8.5.3 図表を引用しながら議論する
  8.5.4 仮説を支える上で不十分な点も述べる
8.6 説明レポートの考察の章(本論)で書くこと

第9章 結論を書く上での注意事項
9.1 結論とは何か
9.2 結論を明確に
9.3 序論での問題提起に答える
9.4 まとめは結論にあらず

第10章 引用文献と参考文献
10.1 引用文献・参考文献とは
10.2 引用文献の引用の仕方
  10.2.1 記述をそのまま紹介
  10.2.2 引用者の言葉で紹介
10.3 本文中における、引用文献情報の示し方
  10.3.1 著者の苗字または組織名と、発表年とを示す
  10.3.2 引用部分に通し番号を添える
10.4 文献を引用するときに気をつけること
  10.4.1 正確に引用する
  10.4.2 引用であることを明示する
  10.4.3 ウェブサイトの記述を引用しない
10.5 参考文献についての注意事項
10.6 引用文献・参考文献のリスト
  10.6.1 リスト中における、著者名の表記の仕方
  10.6.2 引用文献・参考文献に付すべき情報
  10.6.3 引用文献・参考文献の並べ方

第11章 図表の提示の仕方
11.1 図表にすべきもの
11.2 図にするべきか、表にするべきか
11.3 図表およびその説明文を見ればわかるようにする
  11.3.1 「タイトル+補足説明」という形の説明文を付ける
  11.3.2 軸名・単位を必ず書く
11.4 図表を載せる場所
11.5 図を作る上での注意事項
  11.5.1 区別のつきやすい記号・線にする
  11.5.2 説明変数を横軸に、目的変数を縦軸にする
  11.5.3 比較が目的の関連データは1つの図にし、それ以外の関連データは別々の図にして側に並べる
11.6 表を作る上での注意事項
  11.6.1 データ組みの各要素を横方向に並べ、各データ組みを縦に積み重ねる
  11.6.2 関連するデータはすべて1つの表に組み込む

第12章 要旨の書き方
12.1 良い要旨とは
12.2 要旨は、本文が完成してから書く
12.3 要旨で書くべきこと
12.4 わかりにくい要旨
  12.4.1 取り組む問題が不明
  12.4.2 問題解決のためにやったことが不明
  12.4.3 結論が不明

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第4部 日本語の文章技術
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第1章 わかりやすい文章とは
1.1 文章の理解とは
  1.1.1 知らないことは理解できない
  1.1.2 筋の通らないことは理解できない
1.2 わかりやすい文章とは

第2章 文章全体としてわかりやすくする技術
2.1 無駄な情報を削る
2.2 1度に1つの話題だけを扱う
  2.2.1 1つの段落では1つの話題だけを扱う
  2.2.2 1つの章では1つの大きな話題だけを扱う
2.3 何の話をするのかを前もって知らせる
  2.3.1 見出しをつける
  2.3.2 段落の書き出しの1文で主題を明示する
  2.3.3 全体像を述べてから細部を述べる
  2.3.4 次に来る文の位置づけを教える
2.4 文から文への話題の繋がりを明確にする
2.5 重要なことから述べる

第3章 1つ1つの文をわかりやすくする技術
3.1 1つの文で1つのことだけを言う
  3.1.1 1文に1情報を守るべき理由
  3.1.2 1文に1情報にするコツ
3.2 語順:重要な要素を先にする
  3.2.1 通常は、その文で扱う話題を先にする
  3.2.2 扱う話題を読者がわかっている場合は、その話題の下での主張を先にする
3.3 語と語との修飾関係:わかりにくい原因
  3.3.1 わかりやすい修飾関係とわかりにくい修飾関係
  3.3.2 わかりやすい修飾関係:それぞれの語が1つの語を修飾している
  3.3.3 わかりにくい修飾関係:ある語が修飾している語を見つけにくい
  3.3.4 わかりにくい修飾関係:1つの語が複数の語を修飾してしまう
3.4 語と語との修飾関係:明確にする技術
  3.4.1 長い修飾語を先に、短い修飾語を後に:修飾する語を見つけやすくする
  3.4.2 短い修飾語を先にするとき、その後ろにテンをうつ:修飾する語を見つけやすくする
  3.4.3 長い修飾語の後に長めに文が続くとき、その長い修飾語の後にテンをうつ:修飾する語を見つけやすくする
  3.4.4 意図せぬ修飾関係を生まないように配置:複数の語を修飾しないようにする
  3.4.5 修飾関係を断ち切りたいとき、そこにテンをうつ:複数の語を修飾しないようにする
3.5 漢字とカナの混じり具合

ISBN:9784320005983
出版社:共立出版
判型:A5
ページ数:264ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2017年07月
発売日:2017年07月08日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:CFG
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:2GJ