文系シリーズ
やさしくわかる! ⽂系のための東⼤の先⽣が教える 日本列島の科学
はじめて学ぶ人でも、どんどん楽しく読める!
監:岩森光
内容紹介
日本は四方を海に囲まれており,起伏に富んだ豊かな自然が特徴です。しかし同時に,世界の火山の7%が日本に集中しているほど火山が多く,そのせいで,世界有数の「地震大国」「災害大国」ともいわれています。
そもそも日本に地震が多いのは,日本列島がユーラシア大陸の東端の,四つのプレートが複雑に入り組むところにあるからです。日本列島はかつて,ユーラシア大陸とつながっていました。それがダイナミックな地殻変動を経て島となったのです。日本列島はどのように大陸から切り離されていったのでしょうか? そしてそこには,どのような「力」がはたらいたのでしょうか?
本書では,日本列島の成り立ちから火山のしくみ,地震についての基礎知識など,日本列島の秘密について,生徒と先生の対話を通してやさしく解説します。東北地方太平洋沖地震からの学びにも触れ,巨大地震への科学的な知識の備えにもなるでしょう。ご期待ください。
目次
1時間目
日本列島誕生
STEP1
日本列島が生まれるまで
地球の内部をのぞいてみよう
地球の内部構造は地震が教えてくれる
地球の内部は活動している
地球は十数枚のプレートでおおわれている
地球上の大陸は,かつては一つだった
地表のダイナミックな活動はプレート運動のせい
地層からわかる日本列島の“ 骨格”
日本列島の生い立ち① 大陸の時代
日本列島の生い立ち② 分裂・移動の時代
日本列島の生い立ち③ 変動の時代
日本列島は,引っ張られて弓なりの形になった!
日本列島を海底から浮上させた力とは
STEP2
ダイナミックな地殻変動
関東から九州に至る「中央構造線」はなぜできた?2
本州に横たわる深さ6000メートルごえの「溝」
フォッサマグナの構造とは
フォッサマグナはなぜできたのか
フォッサマグナを境に本州が折れ曲がった!?
フォッサマグナは南北で地質がちがう
瀬戸内海の瀬戸と灘は大地のしわ
伊豆半島の衝突が富士山を生んだ
日本列島は将来どんな形になる?
偉人伝① 数々の発見をし,日本の地質学の近代化に貢献した
地質学者,ハインリッヒ・エドムント・ナウマン
2時間目
火山大国ニッポン
STEP1
火山のしくみ
世界の火山の7%が日本に集中している!
プレート境界と火山の位置には関係がある
沈みこみ帯でできる火山は「水」が決め手
マントルの対流が火山を生む
火山にもタイプがある
世界の火山地図
地球のマグマの75%は海嶺でつくられる
ホットスポットと海嶺が合体!?
大陸を引き裂く大地溝帯
STEP2
日本の火山
日本の最高峰「富士山」
富士山の内部には三つの火山がある!
富士山に大量のマグマが供給され続ける理由
日本で最も活発な火山「桜島」
観光地「箱根」も,かつては噴火をくりかえしていた
9 万年前,九州北部を壊滅させた「阿蘇山」
陸地誕生の現場「西之島」
噴火をくりかえす火山島「口永良部島」
STEP3
火山と噴火
溶岩のタイプによる噴火の種類
溶岩流,火砕流,火山灰はどうやって生じるのか
おそろしい! 溶岩流,火砕流,火山灰の脅威
九州の縄文文化を滅ぼした超巨大噴火
いつかおきる超巨大噴火
富士山が噴火するって本当?
今後噴火するかもしれない!
3時間目
日本列島と巨大地震
STEP1
地震の基礎知識
地震には発生しやすい場所と種類がある
マグニチュードと地震のエネルギー
日本各地に存在する「活断層」
地表の痕跡が活断層の場所を教えてくれる
STEP2
東北地方太平洋沖地震はなぜおきたのか?
地震発生のしくみを解く鍵はどこにあるのか
M9 の地震は本当に想定外だったのか?
予想外の場所が一気に50メートルずれた
広範囲にわたって海底が隆起し,津波が発生した
1 か月前から3.11 ははじまっていた
STEP3
巨大地震はいつ発生してもおかしくない
発生が危惧されている「南海トラフ地震」とは
南海トラフ地震はいつ発生してもおかしくない
南海トラフ地震の被害予測
関東地方の下はプレートが重なり合う地震の巣
「関東地震」はくりかえす
プレート境界の範囲によってはM8.7 に達する
M7 級の首都直下地震は,いつどこでおきるか予測不可能