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事例でわかる リアル破産事件処理

著:永野達也

紙版

内容紹介

「破産事件の処理の流れ、ポイント、業務内容」が、モデル事例の形式でわかる!

法律相談準備、資産や負債の確認、受任通知の発送、即日面接、管財人候補者との連絡、債権者集会……。
各段階の実際の事件処理を仮想体験できる!

また、申立書の書き方だけでなく、申立書類一式の綴じ方や官報公告費用の一覧、
即日面接の流れから、果ては官報検索サービスの使い方まで、
あえて細かい事務手続についても記載!

常に手元に置いて都度参照できる、スムーズな事件解決への道しるべ!

目次

第1編 個人破産の相談事例 -私の家計は火の車-

第1章 法律相談の事前準備
1 事件受任の前に
  適切な申立てのために、破産法の理念を理解しよう
(1)破産事件って「弁護士業務の縮図」だ!
(2)破産法とはなにか
(3)破産手続の大まかな流れ
(4)申立代理人の役割
(5)破産申立てのスキルを磨こう

2 相談者への事前対応
  必要資料の持参をお願いしよう
(1)申立書等のひな型を入手する
(2)管轄裁判所を把握する
(3)相談者に資料を持参してもらう

第2章 法律相談本番
1 倒産手続の選択
  各手続を理解し、適切な手続を選択しよう
(1)まず本人確認を行う
(2)倒産手続には種類がある
(3)各手続の特徴を押さえる
(4)どのように手続を検討すればよいか
(5)支払不能・支払停止・債務超過とはなにか
   
2 負債の確認
  親族等からの借入と保証債務に注意しよう
(1)概要を把握してから細部を詰める
(2)消滅時効、過払いの有無等を確認する
(3)親族等からの借入に注意する
(4)保証債務は忘れがち
(5)訴訟提起等がされている債務に注意する
(6)債権者一覧表を順次更新していく
(7)クレジットカードを預かる 

3 資産の確認
  預貯金口座の取引履歴を細かく確認しよう
(1)預貯金口座の取引履歴は最重要
(2)その他確認すべき資産目録の各項目

4 自由財産の範囲の拡張申立て
  判断要素を検討し、速やかに申し立てよう
(1)自由財産の範囲の拡張とは
(2)拡張が認められるか否かの判断要素
(3)申立代理人としての心構え

5 陳述書(報告書)の作成
  一読すれば概要がわかるものを目指そう
(1)過去10年から現在に至る経歴を聴取する
(2)破産申立てに至った事情を明らかにする
(3)免責不許可事由に気をつける

6 資料の追完
  メモを交付し、期限を定めて提出を求めよう
(1)依頼者に追完資料を指示する
(2)家計全体の状況を確認する
(3)スケジュール管理の重要性

7 委任契約書の締結
  受任範囲を明確にしよう
(1)委任契約書を締結する
(2)委任契約書に明記しておくべき事項
(3)依頼者に伝えるべき注意事項
(4)報酬の決め方
(5)報酬・費用は早期に確保する
(6)委任状を作成する
(7)法テラスの利用を検討する
   
第3章 申立て準備
1 受任通知の発送
  記載内容とタイミングに注意しよう
(1)受任通知を作成する
(2)受任通知を発送する
(3)相殺には要注意

2 債権者対応
  弁済禁止を説明しつつ、誠実に対応しよう
(1)債権者からの問合せに対応する
(2)何をどこまで説明するかを決めておく

3 債権者一覧表の作成
  書き方を理解し、正確なものを目指そう
(1)債権者一覧表の記載方法
(2)作成のコツ

第4章 追完資料到着後の処理
1 疎明資料等の確認
  疎明資料等も含めて漏れがないようにしよう
(1)申立書類を編綴する
(2)宛名入り封筒、印紙、郵券を準備する
(3)管財人用副本を準備する

2 申立て後のスケジュール確認
  依頼者に申立て後の流れを説明しよう
(1)申立て予定日を決定する
(2)依頼者に申立て後のスケジュールを説明する

第5章 申立て
1 即日面接
  事案の内容を確認し、即答できるようにしよう
(1)申立ての方法
(2)即日面接ではなにを尋ねられるか
(3)即日面接後の流れ
(4)管財事件の振分け基準
(5)同時廃止を希望した場合の注意点

2 破産管財人候補者との連絡
  申立書副本は即日発送しよう
(1)破産管財人候補者と連絡をとる
(2)依頼者にも参加してもらう

3 破産管財人候補者との事前打合せ
  質問されたことには正直に答えよう
(1)事前打合せで質問に答える
(2)求められた追完事項には迅速に対応する

第6章 開始決定後
1 予納金の納付
  速やかに予納金を納付しよう
(1)官報公告費用を納付する
(2)引継予納金を納付する

2 転送郵便物に関する質問
  破産管財人からの質問等に迅速に対応しよう
(1)転送郵便物から得られる情報
(2)破産管財人からの質問等に対応する

3 債権者集会
  質問に答えられるように準備しよう
(1)債権者集会の意義
(2)債権者からの質問に対応する
(3)破産管財人が免責意見を述べる
(4)債権者集会の場所

4 業務の終了
  今後の生活の注意事項を説明しよう
(1)免責許可決定書を交付する
(2)今後の生活の注意事項を説明する
(3)法テラスへ報告書を提出する


第2編 法人破産の相談事例 -自転車操業の限界-

第1章 法律相談の事前準備
1 事件受任の前に
  法人破産の特徴を理解しよう
(1)法人破産の特徴
(2)法人破産は一刻を争う緊急手術
(3)利益相反がないかチェックする

2 相談者への事前対応
  事案を把握して早期に面談しよう
(1)まず事案の概要を把握する
(2)早期に面談を実施する
(3)持参すべき資料を指示する

第2章 法律相談本番
1 倒産手続の選択
  資金繰りを把握し、適切な手続を選択しよう
(1)聴取すべき事項
(2)事業譲渡の可否を検討する
(3)破産手続を選択した後の打合せの流れ

2 代表者個人の対応
  保証債務を確認し、適切な手続を選択しよう
(1)代表者個人についても破産が必要か
(2)経営者保証ガイドラインについても検討する

第3章 申立ての準備
1 申立日の見通し
  申立て予定日を決め、準備を進めよう
(1)密行型かオープン型か
(2)密行型とオープン型の選択基準
(3)事業停止日を決める
(4)オープン型における事業停止日から申立日までの間隔

2 申立書の作成
  意義を理解して、要点を押さえて作成しよう
(1)申立書の意義
(2)破産管財人へバトンを渡す

3 関係者からの事情聴取、現地確認
  資産状況を正確に把握しよう
(1)関係者から事情を聴取する
(2)現地確認で法人の状況を把握する

4 雇用関係の処理
  適切なタイミングの解雇で従業員の負担を減らそう
(1)従業員の不安を可能な限り解消する
(2)従業員を解雇する
(3)従業員に対して説明すべき事項
(4)未払賃金立替払制度の利用を検討する

5 資産の保全
  資産を確実に保全し、散逸を防止しよう
(1)告示書を掲示する
(2)資産を確認する

6 売掛金の回収、契約関係の処理
  売掛金の回収や物品の返却で資産を整理しよう
(1)受任通知を送付する
(2)売掛金を回収する
(3)契約関係を処理する

第4章 申立後の対応
1 申立て~破産管財人への引継ぎ
  即日面接を終えたら破産管財人候補者に連絡しよう
(1)申立書類の編綴と印紙・郵券
(2)即日面接、官報公告費用の納付
(3)破産管財人候補者との事前打合せ

2 債権者集会終了まで
  説明義務に則って誠実に対応しよう
(1)開始決定後の申立代理人の役割
(2)債権者集会への出席等

著者略歴

著:永野達也
永野総合法律事務所 代表弁護士(第一東京弁護士会所属)

(主な経歴)
2012年12月  弁護士登録
         第一東京弁護士会倒産法部会会員
2017年1月   永野総合法律事務所開設

(主な著作)
『民事訴訟法判例インデックス』(商事法務、2015年)(分担執筆)
『振り込め詐欺救済法のポイント』(JA金融法務536号38頁)
『逐条破産法・民事再生法の読み方』(商事法務、2018年)(分担執筆)
『不動産相続の法律相談』(青林書院、2020年)(分担執筆)

ISBN:9784313314245
出版社:学陽書房
判型:A5
ページ数:200ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2023年10月
発売日:2023年10月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA