日輪兵舎
戦時下に花咲いた特異な建築
監:山岸 常人
著:前田 京美
紙版
内容紹介
満蒙開拓青少年義勇軍の宿舎として、建設された日輪兵舎。
ひと目見たら忘れられない円形の特異な形をした戦争遺産の全貌に迫る。
円形の独特な形状が特徴の「日輪兵舎(にちりんへいしゃ)」は、短期間で容易に建設でき、大人数収容できたことから、戦時下に満蒙開拓青少年義勇軍の訓練生の手によって、訓練所内に何百棟と大量に建てられた。日本各地に広まった日輪兵舎であったが、現存は少なく明らかにされてこなかったその実態に迫る。
目次
序 日輪兵舎の実像を求めて
序章 満蒙開拓青少年義勇軍と日輪兵舎
第一節 満蒙開拓青少年義勇軍とは/第二節 日輪兵舎に関する既往研究/第三節 本書の構成
第一章 考案者・古賀弘人と建築主任・渡辺亀一郎
第一節 考案者・古賀弘人/第二節 建築主任・渡辺亀一郎
第二章 日輪兵舎の考案と初期段階の建設
第一節 日輪兵舎の考案と初期の段階の建設/第二節 日輪兵舎の建設Ⅰ/第三節 日輪兵舎の建設Ⅱ/第四節 日輪兵舎に関する古賀の思想
第三章 内地訓練所と日輪兵舎
第一節 内地訓練所/第二節 内原訓練所の日輪兵舎/第三節 河和田分所とその日輪兵舎/第四節 幹部訓練所とその日輪兵舎
第四章 日輪兵舎の建築構造とその広がり
第一節 日輪兵舎の造り方/第二節 満州の日輪兵舎/第三節 日本各地の日輪兵舎
結章
第一節 日輪兵舎の諸形式/第二節 日輪兵舎の変遷/第三節 日輪兵舎の考案の背景/第四節 類似の建築形式との対比/第五節 日輪兵舎の特質/第六節 今後の展望
あとがき