安藤忠雄 建築家と建築作品
著:安藤 忠雄
著:松葉 一清
紙版
内容紹介
闘う建築家の公式評伝と全346作品録。大判の作品集で読み解く全建築論と全足跡。アクソメなどの図面でみる全作品録。和英併記。
風景、社会制度の中に入り込んでいって、そこに“刺激” をもたらすような新たな関係性をつくろうとすれば、当然のこと、摩擦や衝突が起こる。建築の原点たる住まいの問題、空間の光と影といった美学上の問題、あるいは都市空間、場所の風土の問題。つくる度にさまざまなテーマに直面し、それらに建築で応えるべく、悪戦苦闘してきた。その全てが挑戦だった。(安藤忠雄)
わたしは彼が30 代の時から、傍らで多くの作品を手がける姿を見てきた。これだけの建築家でありながら、やはり、挫折も、あてはずれもあった。しかし、その度に、彼は禁欲的に自己を律して、決して諦めることはせず、建築家として正面から課題に再挑戦して、いくつもの壁を打ち破り、さらなる高みへと移行していった。安藤忠雄は、紛いなき「建築の求道者」である。(松葉一清)
目次
緒言 永遠の建築 安藤忠雄
第I部 安藤忠雄評伝──闘う建築論、作品、時代、社会 松葉一清
第1章 「わたしの存在感」「情念の基本空間」を求めて──都市生活者のアジトとしての住宅
第2章 商業建築に都市の〈公性〉を託す──道、広場、都市の文脈
第3章 〈美〉は〈自然〉と融合し、母なる大地に還る──国境を超える美術館の挑戦
第4章 「生き続ける近代建築」を目指して──建物と建築家の「30年の物語」
第5章 〈無〉は魂の安らぎをもたらす──己の精神と向き合う宗教施設
第6章 ランドスケープ、まちづくりへ──〈建築〉に始まり、〈建築〉を超える
エピローグ アンドウは如何にして建築家となりし乎
第II部 全346作品録