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ドバイ〈超〉超高層都市

21世紀の建築論

著:松葉 一清
著:野呂 一幸

紙版

内容紹介

天上の造形感覚を論ずる禁断の建築書。再起動する〈超〉超高層の群れがめざすのは、モダニズムの超克か、アラブの図像か。活気づくマリーナとリゾート地区、旧市街、日本企業の建設プロジェクトの現場をガイド。

目次

第1章 21世紀のバビロン──メトロポリスの新たな物語 松葉一清
世界最高層が動き出す / 一段と「高く」「新しい」摩天楼の群れ / 「レイト・モダン」に始まる「宝冠」の造形 / 摩天楼の脱近代―アラブの造形を求めて / パリ、ラスベガス、そしてドバイ / 新世紀のブームタウン衒学、大衆迎合、アセット・マネージメント / バビロンから1300キロ、バベルの塔から3000年
第2章 ブルジュ・カリファ― 極限の図を求めて
とにかく天を突く / アラブが世界一 / 800メートル超の匕首 / 自生植物の図像 / 足元のモレスク / ミースに還る / コンクリート彫刻 / なんと高層マンション! / プロパガンダのトロフィー / 名乗りと経済/優越感のプライド/世界一を護持する文明観
第3章 マリーナ、泉、モール──バージョン・アップ・ドバイをもたらす「地」  
どこにもない水辺―ドバイ・マリーナ / 世界最高層を足元から支える―ドバイ・ファウンテンの夜
椰子は枯れず / 旧市街地が示唆するもの / 2020年を目指して
第4章 都市ドバイ「建築ガイド」
A歴史地区 ベドウィン、海に出る / B世界一高層地区 ドバイ・ショックを超えて / C帆と波のリゾート地区 海辺の醍醐味 / D椰子の葉陰のリゾート地区 海中の疑似遺跡探訪 / E 人工運河街区 フリーウェー、西へ
ドバイ 都市建築事典  
第5章 砂漠の超高層建築──設計とプロジェクトの現場 野呂一幸
設計の現場 / ダイヤモンド取引の頂点―アルマス・タワー / 日の丸技術陣の奮闘 / カーテンウォール、そして建築材料の実態/プロジェクトの現場では / 度重なる変更に追われるコントラクターの設計者と技術者たち / 事前調査、契約/施主はどこにいる? / ローカル設計事務所の人材 / ドバイ・ショックを超えて―日本の建設業の未来は中東に

著者略歴

著:松葉 一清
松葉一清 Kazukiyo MATSUBA : 建築評論家、武蔵野美術大学教授(近現代建築・都市論)。1953年神戸市生まれ。京都大学建築学科卒。朝日新聞特別編集委員などを経て現職。主書に『近代主義を超えて』(鹿島出版会)、『日本のポスト・モダニズム』(三省堂)、『失楽園都市』(講談社選書メチエ)、『帝都復興せり!』(朝日文庫)、『パリの奇跡』(同)、『『帝都復興史』を読む』(新潮選書)、『復興建築の東京地図』(平凡社)、『モール、コンビニ、ソーホー─デジタル化がもたらす都市のポピュリズム』(NTT出版)、『アンドウ─安藤忠雄・建築家の発想と仕事』(講談社)など、共著に『奇想遺産』『奇想遺産Ⅱ』(新潮社)、『[復刻]実測・軍艦島』(鹿島出版会)『デザイン/近代建築史』(同)など。
著:野呂 一幸
野呂一幸 Kazuyuki NORO : 建築家、タイセイ総合研究所顧問、武蔵野美術大学造形研究センター客員研究員。1948年三重県生まれ。名古屋工業大学建築学科卒。大成建設常務執行役員・設計本部長、スターツCAM顧問などを歴任。宇都宮大学非常勤講師、技術経営士の会監事。

ISBN:9784306046276
出版社:鹿島出版会
判型:A5
ページ数:236ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2015年09月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AMG