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技術者に必要な河川災害・地形の知識

著:末次 忠司

紙版

内容紹介

近年各地で発生している豪雨災害に関連する31のトピックスに関して、地形や洪水などの視点から、技術者が現場で必要となる知識を提供。

河川技術者にとって、河川災害の防災・減災に必要なものは、「見る技術」、「調べる技術」、「考える技術」です。インターネットの普及に伴って、ネットで調べて、パソコンでモデル計算を行うというやり方が多くなっていますが、こうした「調べる技術」や「考える技術」以上に大事なのが「見る技術」です。河川や洪水という自然現象を現場で見て、その挙動や法則性を把握し、今後の洪水や水害を予測(想定)することが防災・減災にとって重要となります。本書は、現場で何を、どう見れば良いか、地形や洪水などの視点からの経験知を学ぶことができる実用書です。

目次

河道・洪水特性の視点(氾濫するまで)
1 河川・洪水の基礎知識
2 洪水災害を起こしやすい河川地形
3 氾濫しやすい河川地形
4 樹林や草で水位上昇
5 合流による支川からの氾濫
6 分流による洪水調節
7 河床勾配変化に伴う氾濫
8 水路や下水道からも氾濫する
9 河道内の土砂移動
10 人間活動で変わる地形

氾濫特性の視点(氾濫した後)
11 氾濫の基礎知識
12 歴史的な大水害
13 近年発生した水害
14 等高線から見える氾濫流
15 地形を見れば、氾濫が分かる
16 地形に対応した河川災害
17 盛土に阻害される氾濫流
18 排水されない閉鎖性流域
19 微地形で変わる氾濫
20 小河川の氾濫河川化
21 水難事故を減らす
22 地下空間を氾濫する
23 治水地形が示す水害危険性
24 高潮と地形の関係

土砂特性の視点
25 土砂災害の基礎知識
26 近年発生した土砂災害
27 地域で異なる斜面勾配
28 土石流を引き起こす風化花崗岩
29 氾濫する大量の土砂・流木
30 土砂が起こす河道閉塞
31 流木が起こす橋梁閉塞
付録 一級水系の河川地形等情報

著者略歴

著:末次 忠司
末次 忠司(すえつぎ ただし)
博士(工学)(九州大学)
1958年 兵庫県神戸市に生まれる
1980年 九州大学工学部 水工土木学科 卒業
1982年 九州大学大学院 工学研究科 水工土木学専攻 修了
1990年 建設省土木研究所 企画部 企画課長
1996年 建設省土木研究所 河川部 都市河川研究室長
2000年 建設省土木研究所 河川部 河川研究室長
2006年 (財)ダム水源地環境整備センター 研究第一部長
2009年 (独)土木研究所 水環境研究グループ長
2010年 山梨大学大学院 医学工学総合研究部 社会システム工学系 教授
現在 山梨大学大学院 総合研究部工学域 土木環境工学系 教授

ISBN:9784306025028
出版社:鹿島出版会
判型:4-6
ページ数:196ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年10月
発売日:2019年10月18日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TNF