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王朝文学の光芒

著:川村 裕子

紙版

内容紹介

和歌、そして日記文学の表現は
如何なる歴史や文化の光明を
背負っているのか。

和歌が詠ぜられる場の変遷、また日記文学に於ける
身近な文物に纏わる表現はどのような時代の光彩を帯びるのか。
言葉の裏に潜む文化や歴史を解析し、
表現をくるむ光の煌めきを掬い出す。

【表現のなかで、ここでは和歌並びに日記文学から発せられる光の輪を解析の対象とした。日々のなかの文芸としての和歌、また実際の生活の火影が常に瞬いている日記文学の表現が如何なる歴史や文化の光明を背負っているのか。そして事物に対する視点を導入した時、表現の回路はどのような光彩を帯びるのか。本書では、以上の如き外側の視線を介在させながら、単なる点描ではない生活実感の光芒を解析の目的とした。......「はじめに」より】

目次

 はじめに

第一篇 王朝和歌の広がり

 第一章 一条朝の屏風歌 --『小右記』をめぐって--
 第二章 『拾遺集』に於ける雑春の特性
 第三章 藤原為頼について

第二篇 『蜻蛉日記』の表現と広がり

 第一章 『蜻蛉日記』本文の再検討
 第二章 和歌に於ける装飾
--『蜻蛉日記』『源氏物語』の「陸奥紙」再見--
 第三章 『蜻蛉日記』の服飾・容飾 --道綱の衣と賀茂臨時祭と--

第三篇 『和泉式部日記』の表現と広がり

 第一章 『和泉式部日記』の文
--「のたまはせけると見るもをかしくて」の解釈を中心に--
 第二章 『和泉式部日記』の文と夕暮
--「待たましも」の歌をめぐって--
 第三章 『和泉式部日記』の饒舌な文

第四篇 日付という広がり

 第一章 『蜻蛉日記』下巻に於ける養女迎えの時期について
 第二章 『蜻蛉日記』の鳴滝籠りに於ける生理
--「産めるかもしれない性」への執着--
 第三章 日付の空間 --『和泉式部日記』の日付と漢文日記--

 初出一覧
 あとがき

 語彙索引
 和歌初句索引

著者略歴

著:川村 裕子
昭和三十一年、東京生まれ。武蔵野大学教授。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期課程修了。博士(文学)。活水女子大学助教授、新潟産業大学教授を経て、現職。

【著書】
単著に『蜻蛉日記の表現と和歌』(笠間書院、平成十年)、『新版 蜻蛉日記Ⅰ(上巻・中巻)』・『同Ⅱ(下巻)』(角川ソフィア文庫、平成十五年)、『王朝生活の基礎知識--古典のなかの女性たち』(角川選書、平成十七年)・『王朝の恋の手紙たち』(同、平成二十一年)・『王朝文学入門』(同、平成二十三年)、『ビギナーズ・クラシックス 更級日記』・『同和泉式部日記』(角川ソフィア文庫、平成十九年)。編著に『王朝文化を学ぶ人のために』(秋澤亙氏と共編、世界思想社、平成二十二年)など。

ISBN:9784305706720
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:296ページ
定価:5500円(本体)
発行年月日:2012年12月
発売日:2012年12月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DND
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ