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コレクション日本歌人選

アイヌ神謡ユーカラ

著:篠原 昌彦

紙版

内容紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、アイヌ神謡ユーカラです。

その昔この広い北海道は、
私たちの先祖の自由の天地でありました。
知里幸惠『アイヌ神謡集』より

日本の先住民族であるアイヌの人々が残した壮大な神話叙事詩「ユーカラ」から、いくつかの長編叙事詩や抒情詩を取り上げて、やさしくかみ砕いて紹介する。『古事記』に代表される日本の神話とも、琉球の海洋神話とも異なるアイヌ民族が開拓した狩猟と漁猟を中心とする、自然と一体化した独自な神話世界は、私たちの魂の根源に触れる雄渾な想像力と抒情に満ちている。日本人が一度は覗くべき詩の風土だ。

目次

第一話 銀の雫をあたりに散らし
--シマフクロウの神がみずからうたった謡--

[01] シマフクロウの神の私が人間世界を見る
[02] 私を見つけた子供たちが競って矢を射る
[03] 一人の貧しい子が私を狙う
[04] 金持ちの子らはその子を嘲笑しいじめる
[05] 私はその子の矢に射られて落下する
[06] 子供たちは私を獲ろうと争った
[07] 貧しい子は頑張って私を家に運んだ
[08] その子の両親は立派な顔付きをしていた
[09] 父親が私に祈りを捧げる
[10] みんなが寝ると私は起きあがった
[11] 私はまず美しい宝物で家を一杯にする
[12] 私は次に家を大きく立派にした
[13] 私が見せた夢
[14] 老人は私に感謝の言葉を述べる
[15] 一家は神送りの準備を始める
[16] 神送りの宴に人々を招く
[17] 金持ちの人々が軽蔑してやってきた
[18] 老人が仲良く暮らすことを提案する
[19] 老人の願いと村人たちとの仲直り
[20] 私も仲間の神々との宴会を楽しんだ
[21] 家に帰った私は皆に物語を語った
[22] 私はその後もコタンを見護った

第二話 サンパヤ テレケ(横っ跳び)
--ウサギがみずからうたった謡--

[01] ウサギである僕は兄と山へ行った
[02] 僕は怪我をした兄さんを助けるため村へ引き返す
[03] 僕はなんと兄さんの用事を忘れてしまった
[04] 兄兎の私の話 私は話うっかり罠にかかる
[05] 弟兎に託した救援はなく、私は人間の若者に連れ去られる
[06] 若者が私の料理を始める
[07] 私はやっとのことで逃げ出して家に帰り着く
[08] 私は自分の犯した行為を反省する
[09] 私は子孫に教訓を残して死ぬ

第三話 コンクワ(フクロウの鳴き声)
--フクロウの神がみずからうたった謡--

[01] 老シマフクロウの私は使者を捜す
[02] カラスの若者は失格する
[03] 山カケスも失格する
[04] 川ガラスは伝言を聞き終えて天に向かった
[05] 伝言の内容 鹿の神と魚の神の怒り
[06] 川ガラスが人間の不始末を復命する
[07] 川ガラスは鹿の神と魚の神の条件を伝える
[08] 私の諭しによって人間が心を改める
[09] 私は人間を守って安心して天国へ旅立つ

解説(篠原昌彦)
『アイヌ神謡』残り十編のあらすじ
読書案内
【付録エッセイ】イヨマンテの日(抄)(本多勝一)

著者略歴

著:篠原 昌彦
1952年生。駒沢大学大学院人文科学研究科修了。現在 苫小牧駒沢大学国際文化学部教授。主要著書『近代北海道文学論への試み:有島武郎・小林多喜二を中心に』(生活協同組合道央市民生協、1996年)『人権と福祉と近代文学:北村透谷と島崎藤村、有島武郎の場合』(生活協同組合道央市民生協、1996年)『アイヌ詩人森竹竹市の文学とその時代』(一耕社、2004年)

ISBN:9784305706607
出版社:笠間書院
判型:4-6
ページ数:128ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2013年01月
発売日:2013年01月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ