色へのことばをのこしたい
著:伊原 昭
紙版
内容紹介
古典文学のなかの、「日本の色」世界を知り尽くした著者が、これまでに綴り、語った、小論、エッセイ、ラジオインタビューを集成した書。
古典文学にみられる色名を網羅した基礎資料『日本文学色彩用語集成』全5巻(エイボン芸術賞・ビューティーサイエンス学会賞 受賞)の著者・伊原昭が、これまでに綴り、語った、「日本の色」にまつわる小論、エッセイ、ラジオインタビューなどを収録。約300種類におよぶ豊穣な「日本の色」の世界を知り尽くした著者が、文学作品に見られる色の持つ役割、その背景にある文化、人々の情感、逸話などを紹介するとともに、失われゆく日本の色と日本人の感性に警鐘を鳴らす。
「日本の色は草木や鳥たち、土の色など、ほとんどが自然の中にある彩りを映したもの。つまり、日本の風土を受け継いでいます。だからこそ後世につなげていきたい—。」……本書より
目次
はしがき
日本の色—序にかえて
文学と色彩
古典文学における色彩
烏羽(うば)の表〓
月草摺の色—今に生きるニッポンの色
丹—今に生きるニッポンの色
葡萄染—今に生きるニッポンの色
「色へのことば」をのこしたい
四季をこえた彩り
夜会での色
秋・冬の彩り
古典文学と色彩
上代から近代へ—文学作品をとおしてみた色の流れ
文学にみる狐にかかわる色
『万葉』の歌人大伴家持—色に魅せられた越中守時代
心の豊かさを求めて
平安の書と料紙の色
光源氏の衣装—王朝の服色を背景に
『源氏物語』の色—『枕草子』にもふれて
稲荷と、「白」と鳥
紅(くれなゐ)
江戸の主な色—文学作品などに見る
カタカナがはばきかす色の世界—「あとがき」にかえて
初出一覧
・「色へのことば」[かな]
・「色へのことば」[漢字]