出版社を探す

曲亭馬琴の世界

戯作とその周縁

著:板坂 則子

紙版

内容紹介

大衆文化[サブカルチャー]の源泉、馬琴の不思議に迫る。

現在残されている板本や稿本から創作過程を細かく辿り、そこから馬琴作品に多く見られる手法を探ったり、潜在意識にある発想の型を見出す。そこから馬琴の目指した「娯楽としての読書」がどのように存在しえたかを考え、読書史の中で馬琴が果たした役割を考察する。

徹底的に文献と向き合い考え抜かれた、骨太の馬琴論。

目次

小序

凡例

第一章 馬琴合巻--化政期合巻と役者似顔絵

1 化政期合巻の世界--馬琴合巻と役者似顔絵
2 馬琴著作の稿本に見る「役者」と「役柄」
 A 馬琴合巻の稿本に見る役者指定における画師との関わり
 B 馬琴読本の稿本に見る「役柄」
3 馬琴合巻における似顔絵使用役者一覧


第二章 馬琴読本--板本と稿本から見た物語の創造

 『占夢南柯後記』
4 『占夢南柯後記』の成立
5 『占夢南柯後記』稿本に見る画師北斎と作者馬琴
 『南総里見八犬伝』
6 『南総里見八犬伝』の構想--物語の陰陽、あるいは二つの世界
7 「稗史七則」発表を巡って
8 『南総里見八犬伝』の執筆
9 『南総里見八犬伝』の書誌--初板本と稿本
 A 『南総里見八犬伝』の初板本
 B 『南総里見八犬伝』の稿本

第三章 馬琴戯作の原型--想像力の基底と瀧澤家

10 馬琴戯作における想像力の原型(アーキタイプ)
   --馬琴と「小夜の中山」伝説
11 瀧澤家の人々--女性たちをめぐって--[『吾仏の記』から]

第四章 戯作の読者と読書--草双紙と浮世絵

12 草双紙の読者--婦幼の表すもの
13 楚満人と馬琴--草双紙におけるヒロイン像の変遷
14 浮世絵における女性読者像の変遷

曲亭馬琴著作年表

初出一覧
書名索引/表・グラフ等一覧/図版一覧
The World of Kyokutei Bakin:Gesaku and its Environs(Abstract)

ISBN:9784305705013
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:696ページ
定価:13000円(本体)
発行年月日:2010年02月
発売日:2010年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ