『方丈記』と仏教思想
付『更級日記』と『法華経』
著:今成 元昭
紙版
内容紹介
近代的文芸観の潮流に巻き込まれて誤解された評価があたえられた蓮胤(鴨長明)の『方丈記』は、実は、緻密な構想のもとに組み立てられたところの、日本文学史上まれに見る思想的な作品である事を立証する。
目次
緒言総論編『方丈記』『発心集』解説『方丈記』の世界各論編1蓮胤方丈記の論 2『方丈記』の思想的基盤ー『維摩経』・『発心集』との関わりにふれてー 3論争へのいざないー学界時評子へー 4『発心集』とその周辺ー『方丈記』へのひとつのアプローチー 5『方丈記』についてー『発心集』との関わりを中心にー6『維摩経』と『方丈記』 7『方丈記』の末文をめぐって8『方丈記』についてー大福光寺と嵯峨本との間からー9『方丈記』考ーその署名をめぐってー 10『方丈記』の享受を巡る覚書 11『発心集』ー桑門蓮胤の想いー 12『方丈記』ーその秘められた構想ー 13仏教文学の構想ー『方丈記』論によせてー付論1『更級日記』と『法華経』(講演) 2『更級日記』の構造と仏教3「聖」・「聖人」・「上人」の称についてー古代の仏教説話集からー4寸描・日本中世の仏教と文学参考資料・『維摩経』抜粋初出一覧あとがき