藤原俊成
判詞と歌語の研究
著:安井 重雄
紙版
内容紹介
歌語・表現検索の分析から、神格化されていた俊成像を捉え直す。時代の流れを旧風から新風へと導き、後鳥羽院をはじめ誰からも尊崇された俊成という考え、あるいは、当代歌壇を御子左家対六条藤家だけで括る図式的見方を離れて、俊成の仕事の実態を明らかにする。
目次
序論Ⅰ寂蓮をめぐる問題(第一章・寂蓮の風情/第二章・寂蓮と顕昭)Ⅱ俊成の歌合判詞の特質(第三章・文治二年十月経房家歌合一番判詞をめぐって—歌合における作者と判者と/第四章・俊成判詞「其時も老僧ゆるさず」について/第五章・俊成判詞の「不可庶幾」という評語について/第六章・俊成判詞「不可庶幾」評の規制—定家・家隆を中心に/第七章・俊成判詞の影響力と規制—源重之歌一首の享受をめぐって/第八章・歌合における「よき持」について—俊成を中心に/第九章・六百番歌合の「よき持」について)Ⅲ俊成歌の表現と歌語(第十章・「鵜飼舟」と「鵜舟」—御子左家と六条藤家の歌語意識/第十一章・ちらすなよ篠のは草のかりにても—表現の成立と影響/第十二章・新奇な詞と俊成歌)結語初出一覧・あとがき索引(人名・歌合判詞・和歌初句・歌語)