伊勢物語誤写誤読考
著:後藤 康文
紙版
内容紹介
定家本本文を盲信し、「通説」に安住しているかぎり、「伊勢物語」の解読作業は進展しない。旧来の勢語解釈に猛然と異議を唱え、新たな解読の地平を拓く処女論文集。誤写考と誤読考の2部構成。
目次
前編 『伊勢物語』誤写考第一章 「憂し」と「惜し」(第六十七段)第二章 「この宮に」と「この屋見に」(第五十八段)第三章 「山もさらに」と「山ことさらに」(第七十七段)第四章 「なで」と「なん」(第十四段)第五章 「なりての世に」と「なりてのちに」(第五十五段)第六章 「友だちどもに」と「友だちのもとに」(第十一段)第七章 「見出づ」と「し出づ」(第四十一段)第八章 「本意なし」と「甥なり」(第三十九段)第九章 「あだくらべ」と「忍び歩き」(第五十段)後編 『伊勢物語』誤読考第一章 解釈の〈絶対領域〉と〈相対領域〉(第二十六段)第二章 「さるさがなきえびす心」(第十五段)第三章 「かはづ」の寓意(第二十七段・第百八段)第四章 伏せられた文脈(第十八段)第五章 「伊勢の国に率て行きてあらむ」(第七十五段)第六章 「紅葉も花もともにこそ散れ」(第九十四段)第七章 「くらべこしふりわけ髪」(第二十三段)第八章 「かの」の謎解き(第二段)第九章 隠された構成原理(第五十九段)