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稲賀敬二コレクション

稲賀敬二コレクション 3 『源氏物語』とその享受資料

著:稲賀 敬二
編:妹尾 好信
解説:伊井 春樹

紙版

内容紹介

国文学者、稲賀敬二(1928-2001)の仕事の全貌。斬新な『源氏物語』成立論をなし、『堤中納言』『落窪物語』『住吉物語』などの魅力的な注釈者でもあった氏の、単行本未所収の論文を集め、ジャンル別に全6巻に収めたシリーズ。豊饒にして刺激に満ちた稲賀ワールドを堪能できます。各巻には、第一線で活躍中の研究者による解説をつけました。

目次

第一部 研究の指針

1 『源氏物語』の文献学的研究の現段階
2 『源氏物語』研究の現段階 —人物論は成立論とどんな関係を持つか—
3 影響関係の研究 —どのように研究を進めるか—
4 『源氏物語』成立論の争点
5 『源氏物語』の美、その享受・影響 —その否定的一側面—
6 新しい読みを求めて —光源氏の文殿と図書管理・幻想—
7 作者は紫式部ひとりなのか
8 〔コラム〕引歌 —『源氏物語』の表現—

第二部 登場人物論

9 夕顔 —『源氏物語』作中人物論—
10 近江の君登場
11 匂宮 —『源氏物語』の人物造型—
12 女房 —人物像の創出—
13 夕顔の右近と宇治十帖の右近 —作者の構想と読者の想像力—

第三部 巻々の論

14 雨夜の品定め —体験談—
15 〔コラム〕薄雲巻
16 〔コラム〕槿巻
17  匂宮三帖の世界《実子とまま子》—匂宮・紅梅・竹河、それに巣守—
18 紅梅巻の世界
19 散逸「桜人」と玉鬘物語 —桜人巻の復元と、並びの巻追加・玉鬘物語成立の仮説—
20 巣守物語と博雅三位 —『源氏物語』の傍流構想の人物設定とモデル—
21 〔コラム〕五十四帖成立異聞

第四部 研究・享受資料のさまざま

22 「つねみつ」の誕生 —東山御文庫御物本『源氏物語』と青表紙本・河内本の本文—
23 源光行・親行と河内学派の形成
24 『紫明抄』
25 梗概書の概観
26 疑似資料『光源氏一部歌並詞』(『源氏物語歌註』)—藤波家旧蔵本と田安家旧蔵本—
27 『永仁奥書源氏物語抄』の周辺
28 〔コラム〕逸名・物語絵巻と『源氏物語』—三原市立図書館蔵の未紹介資料—
29 〔資料紹介〕『宗祇短歌』と『少人をしへの詞』本文翻刻と略注
—『源氏文字鎖』『源氏仮名文章』類流行の背景を考える—
30 〔資料紹介〕『源氏大鏡(第三類本)零本』—田中重太郎博士旧蔵本影印・解説—
31 『紫文消息』と『紫文製錦』—稲彦と出版書肆との交渉—
32 〔コラム〕言語文化と表象文化 —『源氏物語絵尽大意抄』—
33 『山路の露』の二系統と共通祖形の性格
     —《本文と場面「分割」「統合」機能》《『宇津保』「絵詞」》関連の問題—

第五部 近・現代の研究史と研究書紹介

34 近・現代の研究 —「〝研究史〟の研究」序説—
35 池田亀鑑博士の「源氏物語構想論」について —「池田亀鑑選集」『物語文学Ⅰ』解説—
36 〔コラム〕「池田亀鑑選集」『物語文学Ⅰ』編集まえがき
37 〔研究書紹介〕武田宗俊著『源氏物語の研究』風巻景次郎著『日本文学史の研究 下』
—『源氏物語』成立論史における役割—
38 〔研究書紹介〕清水好子著『源氏物語』
39 〔研究書紹介〕寺本直彦著『源氏物語受容史論考』
40 〔研究書紹介〕上坂信男著『源氏物語往還』
41 〔研究書紹介〕上坂信男著『源氏物語の思惟・序説 —古代物語の研究(続)—』
42 〔研究書紹介〕野村精一編「源氏物語古注集成」『孟津抄』
43 〔研究書紹介〕中田武司氏編『岷江入楚』全五巻の完結をお祝いする
44 〔研究書紹介〕黒須重彦著『源氏物語の実相 —漢文学の内在化』

著者略歴

著:稲賀 敬二
1928年生。国文学者。広島大学名誉教授。専門分野は、中古文学(とくに「源氏物語」)。2001年没。
編:妹尾 好信
1958年生。広島大学大学院文学研究科准教授。専門分野は、古代中世国文学(とくに平安時代の和歌・物語等の和文作品)。
解説:伊井 春樹
1941年生。国文学研究資料館館長。専門分野は、中古文学・中世文学・海外との文化交流。

ISBN:9784305600738
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:456ページ
定価:9000円(本体)
発行年月日:2007年07月
発売日:2007年08月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ