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池宮正治著作選集 1

琉球文学総論

著:池宮 正治
編:島村 幸一

紙版

内容紹介

琉球と日本、その位置と意義に果敢に取り組んだ軌跡

戦後の琉球文学・文化研究を牽引した、
琉球大学名誉教授・池宮正治の厖大かつ
多岐に渡る仕事を、内容別に収録するシリーズ。

日本文学における琉球文学の位置づけ、
「オモロ」「琉歌」研究の方法、著者の研究の中心であり、
今日のオモロ研究の水準を示した『おもろさうし』論など、
従来の説を深化させるとともに、
新たな課題を投げかける、19本の論考を収録。

【推薦】
古橋信孝(武蔵大学名誉教授)
狩俣恵一(沖縄国際大学副学長)
豊見山和行(琉球大学教授)

【全三巻の著作集に示される池宮の学問の広さと研究論文の質量は、「沖縄学」研究の先達、伊波普猷や東恩納寛惇、仲原善忠の研究に連なるものである。池宮の研究は、これらの「沖縄学」研究の先達の研究の一部を、あるいは多くを深化させている。(中略)すなわち、現在到達した琉球文学研究、琉球文化研究の水準が示されているといえる。......本書「『池宮正治著作選集』を編集するにあたって」(島村幸一)より】

【著者の文章を読むたびに、常に「お前はどうなのだ」とその鋭いまなざしに射すくめられる思いがする。著者の視線の向こうには、確たる輪郭をそなえた琉球・沖縄の像がくっきりと結ばれていることを感じさせる。それはいつも背筋を伸ばし凛とした風格を漂わせる著者の風貌ともかさなり、ゆらぎがない。後続の我々はその像をいかに引き継ぎ、あらたな像を描き出すことができるか、本書はそうした不断の問いかけの得難い道しるべとしてあり続けるに違いない。......本書3巻「解説」(小峯和明)より】

目次

口絵
目次

Ⅰ 琉球文学総論

第一章 琉球文学総論 
第二章 琉球文学の位置づけ
第三章 琉球文学研究の課題

Ⅱ 『おもろさうし』論

第一章 『おもろさうし』概説
第二章 『おもろさうし』の世紀--歌謡が語る琉球の中世
第三章 王と王権の周辺--『おもろさうし』にみる--
第四章 地方おもろの地域区分
第五章 『おもろさうし』にあらわれた異国と異域
第六章 『おもろさうし』における航海と船の民俗
第七章 神女と白馬と馬の口取り
第八章 『おもろさうし』における踊りを意味する語「より」について
第九章 おもろのふし名ノート
第一〇章 「王府おもろ」五曲六節の詞章について
第一一章 おもろ理解と「御唄」「神唄」「神歌」の関係
第一二章 座間味景典の家譜--『おもろさうし』・『混効験集』の編者--
第一三章 『おもろさうし』を読み直す

Ⅲ 琉歌論

第一章 琉歌の世界
第二章 恋の琉歌
第三章 『疱瘡歌』解説
   
初出一覧
『池宮正治著作選集』を編集するにあたって 島村幸一
解説 島村幸一
索引

著者略歴

著:池宮 正治
一九四〇年(昭和一五)生。琉球大学名誉教授。
一九六四年、早稲田大学第一文学部卒業。一九六七年、同大学大学院文学研究科修士課程修了。同年、琉球大学法文学部助手、のち教授。二〇〇六年、定年により退職。沖縄文化協会賞(一九八〇年)、伊波普猷賞(一九九六年)、東恩納寛惇賞(二〇一四年)受賞。著書に『琉球文学論』(沖縄タイムス社、一九八〇年)、『琉球文学論の方法』(三一書房、一九八二年)他多数。
編:島村 幸一
一九五四年(昭和二九)生。琉球大学卒。法政大学大学院修士課程修了。博士(文学)。現在 立正大学文学部教授(琉球文学)。著書に『『おもろさうし』と琉球文学』(笠間書院、二〇一〇年)、『コレクション日本歌人選056 おもろさうし』(笠間書院、二〇一二年)、編著『琉球 交叉する歴史と文化』(勉誠出版、二〇一四年)他。

ISBN:9784305600516
出版社:笠間書院
判型:A5
ページ数:496ページ
定価:12000円(本体)
発行年月日:2015年02月
発売日:2015年02月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ-JP-H