笠間叢書 344
狭衣物語の研究 異本文学論編
著:三谷 栄一
紙版
内容紹介
本編では鎌倉、吉野朝、室町時代にかけて流行した改作改変の時代的特性を把握しながら、各系統諸本の成立事情を辿る。同時に文学性を解析することによって、第一系統本の優位を立証。著者60年の研究が全2冊に結実。
目次
「異本文学論」とは何か−序にかえてⅠ 狭衣物語における異本文学論一 狭衣物語巻一冒頭部分の文学的特質−異本による表現と改作についての考察二 天稚御子天降りの段の異本による解釈三 物語の末尾における改変と改作の方法四 飛鳥井女君物語の悲劇とその伝播Ⅱ 狭衣物語における女性−異本文学論的考察一 宣耀殿女御と飛鳥井女君二 飛鳥井女君物語に見る継子虐め譚三 源氏宮と狭衣の恋四 斎院源氏宮五 女二宮の悲哀−享受の変遷Ⅲ 狭衣物語の特質一 狭衣物語創作の手法二 狭衣物語の模倣と創造−心深き物語三 狭衣物語巻一の好色譚と仁和寺の阿闍梨四 狭衣物語の音楽−天稚御子天降りの段の前哨場面と笛の説話