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図解即戦力 脱炭素のビジネス戦略と技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書

著:本橋 恵一

紙版

内容紹介

脱炭素×資源循環のGX戦略が1冊でわかる!
持続的な成長をステークホルダーに約束する企業にとって、脱炭素=気候変動への対応を経営戦略に織り込むことは必須です。2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みは、プライム上場企業に限られた話しではなく、サプライチェーンに連なる中小企業にも求められています。本書は脱炭素社会の背景から学び直し、国内外の脱炭素市場の動向や、製造や金融業をはじめとした各業界・産業のビジネスの変革と戦略、エネルギーを生み出す/エネルギーを効率よく使う/CO2を削減する…の3つに分けた脱炭素技術について解説しています。最終章ではCDP(国際的な非政府組織 カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)の気候変動Aランク認定など、環境評価の高い企業のビジネス戦略から脱炭素経営を学べる構成となっています。ポスト・ウクライナ侵攻を見据えた、最新の脱炭素ビジネスの解説書。

目次

編註:CO2の「2」は下付き文字処理をお願いします
編註:Secの1行目は小文字(上サブ) 2行目がメインタイトル

CHAPTER 1 脱炭素や再エネに関わる現状
Sec.01 地球温暖化により引き起こされる気候変動
気候変動問題とは?
Sec.02 温室効果ガスの種類とCO2排出の根源
温室効果ガスってどんな物質?
Sec.03 大気の成分とCO2増加の原因
なぜCO2が増えているのか
Sec.04 気候変動の現状(IPCCレポート・第1作業部会)
5つのシナリオによるCO2排出量と平均気温の変化
Sec.05 気候変動で何が起こるか(IPCCレポート・第2作業部会)
気候変動に向けた適応策とレジリエントな開発
Sec.06 気候変動は回避できるか?(IPCCレポート・第3作業部会)
カーボンニュートラル実現のための投資拡大の必要性
Sec.07 グリーンニューディールとグリーンリカバリー
気候変動対策や生物多様性を意識した投資の拡大
Sec.08 SDGsと気候変動対策
脱炭素に取り組むことはSDGsの課題に取り組むこと
Sec.09 気候変動問題の国際交渉
気候変動枠組条約に基づく締約国会議で国際交渉を実施
Sec.10 パリ協定
パリ協定によりCO2排出の削減目標を規定
Sec.11 各国の削減目標とカーボンニュートラル
削減目標との差を埋めるためのカーボンニュートラルの必要性
Sec.12 国際エネルギー機関のエネルギーアウトルック
国際エネルギー機関が指摘する再エネ投資の重要性
Sec.13 TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
TCFDへの賛同により企業に求められる気候変動対策
Sec.14 CDPと環境イニシアチブ
企業の気候変動対策を先導する金融系NPOと環境イニシアチブ
Sec.15 環境NGOと若い世代
将来の深刻な危機に対して気候変動対策に取り組む組織

CHAPTER 2 脱炭素市場に向けた各国の動向としくみ
Sec.01 欧州
国際交渉や政策立案・導入をリードする欧州
Sec.02 米国
各地で再エネ開発が進みCO2排出削減50%超を目指す米国
Sec.03 日本
脱炭素対策の遅れが目立ち追加政策が必要な日本
Sec.04 中国
CO2排出量が多いながらも再エネ導入やEV開発が急伸する中国
Sec.05 ロシア
世界経済とのつながりを確保し資源依存からの脱却が必須のロシア
Sec.06 オーストラリア、カナダ
化石燃料からの脱却を目指すオーストラリアとカナダ
Sec.07 中東
石油依存経済からの脱却を目指す中東諸国
Sec.08 東南アジア、南アジア、中南米
資金不足や環境破壊などの課題が多い新興国地域
Sec.09 小島嶼国、アフリカ
気候変動の影響が大きい小島嶼国と持続可能な開発が必要なアフリカ
Sec.10 カーボンプライシング
CO2排出にコストをかけて排出削減を目指す制度
Sec.11 炭素国境調整措置
気候変動対策の導入の不平等を調整するためのしくみ
Sec.12 ESG投資
持続可能性や社会的な影響を考慮した投資の拡大

CHAPTER 3 脱炭素化によるビジネスの変革
Sec.01 金融・保険
持続可能な投融資とリターンの大きい事業への転換
Sec.02 自動車
EV化とクリーンエネルギーによるゼロエミッション車の開発
Sec.03 石油
石油会社の脱石油に向けた戦略
Sec.04 電力・ガス
再エネ発電によりシステム変更が迫られる電力・ガス事業
Sec.05 鉄鋼
CO2排出を削減する電炉と水素による製鉄
Sec.06 非鉄金属
レアメタルや銅の需要拡大と回収やリサイクルの技術の開発
Sec.07 セメント・石油化学
製造の脱炭素・省エネ化とともにCO2吸収などの技術開発も進展
Sec.08 電機(発電・送配電機器など)
電気の効率利用を促進する技術開発が進む
Sec.09 製造業
製品のライフサイクル全体を通した省エネ化・脱炭素化を図る
Sec.10 流通
店舗や商品、配送を含めたサプライチェーン全体の脱炭素化
Sec.11 鉄道、航空、船舶
電動化を目指すか持続可能な燃料でCO2排出を削減
Sec.12 建設、不動産、エンジニアリング
脱炭素化に貢献する建物・都市とプラントの開発
Sec.13 情報通信
データセンターの省エネ化とITを駆使したGX実現が急務
Sec.14 総合商社
再エネやカーボンクレジットなどの新しいビジネスへの挑戦
Sec.15 農業、漁業、畜産業
環境負荷を軽減して持続可能な農畜水産物の供給を目指す

CHAPTER 4 サプライチェーンとライフサイクルの脱炭素化戦略
Sec.01 CO2排出量とスコープ1,2
事業活動を通じて排出されるCO2を把握する
Sec.02 スコープ3の脱炭素化戦略
サプライサイドとデマンドサイドの脱炭素化の取り組み
Sec.03 スコープ1の脱炭素化戦略①
建物や設備、機器などの省エネとエネルギー管理
Sec.04 スコープ1の脱炭素化戦略②
使用する燃料を石炭・石油から天然ガスやバイオマス、電化へ
Sec.05 スコープ2の脱炭素化戦略①
非化石証書やカーボンクレジットとセットにしたグリーン電力の利用
Sec.06 スコープ2の脱炭素化戦略②
再エネ由来の電気を直接供給してもらうPPA
Sec.07 スコープ3の脱炭素化戦略①
再エネ電力の導入を促進するための新しいPPA事業と技術
Sec.08 スコープ3の脱炭素化戦略②
データセンターの消費電力の抑制と再エネ化
Sec.09 スコープ3の脱炭素化戦略③
テレワークやサテライトオフィスで通勤時のCO2排出を削減
Sec.10 スコープ3の脱炭素化戦略④
トラックから鉄道・船舶での輸送にモーダルシフト
Sec.11 スコープ3の脱炭素化戦略⑤
ライフサイクルアセスメントを考えCO2排出を減らす製品を製造
Sec.12 スコープ3の脱炭素化戦略⑥
カーボンフットプリントによる商品・サービスのCO2排出の可視化
Sec.13 サプライチェーン全体①
地域のエネルギーサービスによるエネルギーの地産地消
Sec.14 サプライチェーン全体②
省エネとスマート化による地域循環型社会・経済の確立

CHAPTER 5 エネルギーの脱炭素化に関する技術
Sec.01 太陽光発電①
さらなる導入量拡大と技術開発が求められる太陽光発電
Sec.02 太陽光発電②
未利用スペースを活用して多様な場所に設置できる太陽電池
Sec.03 ソーラーシェアリング
農作物の栽培と発電を同時に行うソーラーシェアリング
Sec.04 陸上風力発電
さまざまな課題があるもののポテンシャルが高い陸上風力発電
Sec.05 洋上風力発電
日本近海に適した浮体式の技術開発が急務の洋上風力発電
Sec.06 水力発電
地域に根差した安定供給源として期待される水力発電
Sec.07 地熱発電とそのほかの再エネ
日本の豊富な資源を活用し開発拡大が求められる地熱発電
Sec.08 バイオマス利用
森林伐採や輸送などの課題が多いバイオマス利用
Sec.09 グリーン水素とブルー水素
再エネやCCSなどの活用によるカーボンニュートラルな水素
Sec.10 グリーンアンモニアとメタネーション
クリーンな燃料としての活用が期待されるアンモニアとメタン

CHAPTER 6 エネルギー利用の高効率化を実現する技術
Sec.01 電気自動車(EV)
電気自動車の普及だけではなく電気の再エネ化や効率的利用も重要
Sec.02 燃料電池自動車(FCV)
燃料電池自動車はグリーン水素でゼロエミッション化を実現
Sec.03 水素エンジン
水素を燃料とするエンジンや水素を利用した発電設備の開発
Sec.04 蓄電池(バッテリー)
航続距離の向上に向けて小型化と大容量化が課題の蓄電池
Sec.05 エネルギー貯蔵システム
エネルギーを蓄えて有効活用する技術が研究されている
Sec.06 EV充電システム
充電の利便性をカバーするための充電システムとアプリ
Sec.07 非接触充電
非接触式の充電技術により走行中や停止信号での充電も可能
Sec.08 V2X
EVの蓄電池に蓄えた電気を家庭や社会で利用する
Sec.09 ZEH・ZEBとデジタルツイン
建物のゼロエネルギー化のための効率化とデータ活用
Sec.10 ヒートポンプ
熱エネルギーが効率よく得られて省エネにつながるヒートポンプ
Sec.11 SAFと合成燃料
電動化の難しい航空機は燃料の脱炭素化から着手

CHAPTER 7 CO2を直接的に削減する技術
Sec.01 CCS(CO2回収・貯留)
コストや適地などの課題を抱えるCO2の地中への貯留
Sec.02 CCU(CO2回収・利用)
CO2からメタンを生成し製品の原料や燃料として利用
Sec.03 BECCS/BECCU
バイオマス燃料を使うことでエネルギー利用とCO2削減を両立
Sec.04 DACCS(CO2直接回収・貯留)
大気中からCO2を回収するには多くのエネルギーが必要
Sec.05 水素直接還元製鉄
鉄を取り出すために直接反応させる水素の供給が鍵
Sec.06 CO2吸収コンクリート
製造時に排出されるCO2をコンクリートに戻す技術
Sec.07 エネルギー管理システム
ピークカットだけではなくエネルギー効率を高める改良が必要
Sec.08 植林・森林管理
CO2吸収の増強と生態系の回復を目的として十分な管理が必要
Sec.09 ブルーカーボン
海洋によるCO2吸収を高めるため生態系の保全・回復が急務
Sec.10 人工光合成
太陽光で水を酸素と水素に分解しCO2を利用

CHAPTER 8 環境評価が高い企業のビジネス戦略
Sec.01 ソニーグループ
再エネ利用の先駆者として2040年ネットゼロを目指すソニー
Sec.02 イオングループ
発電設備を店舗に設置するとともにサプライチェーンの排出削減に挑む
Sec.03 花王
CO2を排出しない原材料調達と環境負荷の少ない製品の開発
Sec.04 不二製油
食品加工の原料調達において持続可能な農産物の生産が必須
Sec.05 東京製鐵
再エネの余った電気の活用で電炉のCO2排出を削減
Sec.06 アサヒグループ
安心安全な商品を生産するため環境保全と詳細分析を行う
Sec.07 大和ハウス工業
ZEHやZEBへの建物の改修と設備の効率改善で脱炭素化に寄与
Sec.08 古河電気工業
再エネ利用と銅製造の経験のもと電力ケーブルなどに事業を集中
Sec.09 日産自動車
EVの量産だけではなく生産・使用のエコシステムを構築
Sec.10 SGホールディングスグループ
EV化やモーダルシフトなど物流のビジネスモデルを変革

著者略歴

著:本橋 恵一
環境エネルギージャーナリスト/コンサルタント
1994年よりエネルギー専門誌「エネルギーフォーラム」記者。2004年よりフリーランス。2005年に環境エネルギー政策研究所にて地域エネルギー事業支援やグリーン電力証書を担当、2016-2017年に米スタートアップENCOREDの日本法人におけるマーケティング本部長。2019-2022年に脱炭素ニュースサイト「Energy Shift」「エナシフTV」の運営など。著書に『図解入門業界研究 最新電力・ガス業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(秀和システム)など多数。現在、エネルギービジネスデザイン事務所代表。Twitter:@tenshinokuma

ISBN:9784297134075
出版社:技術評論社
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2023年04月
発売日:2023年04月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TQ