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御社のシステム発注は、なぜ「ベンダー選び」で失敗するのか

著:田村 昇平

紙版

内容紹介

成長戦略という錦の御旗のもと、システム化やDX推進の指示が増大しています。しかし、あわててITプロジェクトを始動したあなたに、次の法則が立ちはだかります。「プロジェクトの半分以上が失敗する」。これは一体なぜでしょうか? 著者によれば、プロジェクトは「上流がにごれば、下流はもっとにごる」もの。ITベンダーが決まるまでの長い道のり「超上流」に問題のほとんどが集約されています。本書は、前著では触れることのできなかったこの問題に焦点を当て、ユーザー企業が安易な選択をしてしまうワナから説き起こします。そして、ベンダー選定の究極ノウハウ「ファネル選定」を提唱します。前著をお読みでない方も、本書を手引きにまずはこの最優先課題に取り組んでください。

目次

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第1章 選定ミスは終わりの始まり
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DXを成功させる大前提は「選定」が正しいこと
DXをやりたいと言うが
ノウハウをためるべき部署
DXが機能するための前提
計画とは順番を定義すること
レガシーシステムは諸悪の根源
基幹システム選定の状況変化
パッケージ導入の落とし穴
スクラッチ開発という難題
攻めのITは「けもの道」
あるAIプロジェクトの末路
最新技術が正解とはかぎらない
すべては「選定」にかかっている
ロックイン問題は「選定」の結果である
現行ベンダーへの不満
ロックインの元凶
何がリスクなのか
プロジェクトの成否は「選定」で決まる
プロジェクトからのSOS
プロジェクトの成功要因
COLUMN ユーザーロックイン

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第2章 選定に入る前に方向性を定める
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「選定」のための地図を作る
候補がありすぎると途中で探さなくなる
選定プロセスは選定の前から始まっている
プロジェクト計画書のよりどころ
ボトムアップの問題
トップダウンの問題
トップダウン? ボトムアップ?
経営層と現場を味方にする
パッケージかスクラッチか
経営層のジレンマ
パッケージでいけるか見極める方法
消去法を愚直に進める
グランドデザインで大きな地図を描く
ERPは最初しか選択肢がとれない
手に持っているものがハンマーなら全て釘に見える
「内製」という選択肢
グランドデザインは順番をデザインすること
COLUMN なぜそのRFPは10億円を超えてしまったのか

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第3章 RFIでベンダーを広く浅く収集する
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RFIとは何か?
その選定プロセスは正しいと断言できるか?
ファネル選定とは
ファネル選定を成立させる重要な技術
RFIとRFPの違い
RFIの6つのメリット
RFIの準備
RFIはこう作る
ベンダーは何社探せばいいのか?
ある出版業システムのリストアップ事例
インターネット検索での注意点
この時点での現行ベンダーの扱い
現行ベンダーの可能性
RFIの手続き
RFIでは会わない
RFIでは順位を決めるのではない
RFIのノックアウトファクター
5社以内に絞りきる
COLUMN RFIは悲劇をくり返さないための仕組み
トライアルで深掘りする
このまま進めてよいか現場の反応を見極める
トライアルとは
トライアルの目的
トライアルは何社で行うべきか
トライアルの考え方
トライアルが現場の主体性を引き出す
状況をみながらトライアルの有無を判断する
COLUMN トライアルにお金を払ってもお釣りがくる

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第4章 RFPで自社要求を明確にする
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RFPに取り組む姿勢
RFPはムズカシイ?
RFPを出さない理由がない
RFPのフォーマットは悩まない
要求機能一覧はRFPの「心臓部」
RFPで押さえるべきポイント
RFPの書き方が変わってきた
そのパッケージRFPの失敗は必然
パッケージRFPはベンダーにアイデアを求める
パッケージTo-Beを評価する
パッケージvsスクラッチという異種格闘技戦
RFPを市場にアジャストさせる
そもそもRFPは誰が作るべきか
IT部門の一番の強みとは
RFPにおけるIT部門の役割
COLUMN 情シスロックイン
RFPでベンダーに提案を依頼する
まずはお会いしたい
RFPの前にNDAを交わす
NDAのフォーマットはどちらに合わせるべきか?
ベンダーへの期限設定
ベンダーの質問には公平に対応する
COLUMN A社のパッケージングと金太郎アメ

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第5章 ベンダーを評価し、選定する
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提案書を自社のフレームで評価する
提案の5大評価ポイント
スコアリングに責任を持つ
システム機能はサブシステム単位できっちり評価する
FIT率「60%」をどう考えるか
費用は5年トータルで考える
実績は数と質の両方をみる
プロジェクト計画は、ベンダーの力量をはかるモノサシ
その他の評価で補完し、バランスをとる
プレゼンテーションの前に評価を完成させる
提案書でみえない部分をプレゼンで評価する
プレゼンで特に確認しておきたいポイント
プロジェクトメンバーの当事者意識の醸成
プレゼンのアジェンダをベンダーに提示する
プロジェクトマネージャーにどんな質問をするか
その質疑応答は誰が答えているのか
ベンダーのエース人材を見分ける方法
質問はバリエーションが大事
COLUMN ダメPMの見分け方 ~なぜPMにこだわるのか~
最終選考
進め方は3パターンに分かれる
最後の最後に心理的な恐怖は大きくなる
唯一の背中を押してくれる存在とは
導入先という「希望」に会いに行く
現状維持という最大のハードルを越えるために
現行システムは現状のままではいられない
ちゃぶ台返しをさせない
プロジェクトマネージャーが責任をもって全社承認をとりつける
COLUMN 圧倒的に安すぎると、人は選べなくなる
契約締結まで油断しない
ベンダー決定が遅れてしまう
ベンダー決定を遅らせるとどんな不都合が生じるのか
発注するベンダーは決まったが決まっていない
内定をだしても確定はださない

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第6章 最適なベンダーとサービスは未来を明るくする
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選定後のプロジェクト処方箋
苦境のないプロジェクトはプロジェクトではない
ベンダーチェンジは有効なのか?
対処方法① ベンダーPMチェンジ
対処方法② ユーザーチェンジ
どのカードを切るのが正解なのか
ベンダーは共に歩むパートナー
最適なベンダーは黙っていても導いてくれる
ベンダーを信じるということ
「ファネル選定」でDX時代を切り拓く

著者略歴

著:田村 昇平
田村 昇平(たむら しょうへい)
情シスコンサルティング株式会社 代表取締役。
ITプロジェクトを推進するIT部門、情報システム部門を支援する情シスコンサルタント。支援したIT部門は20社以上、プロジェクト数は60以上に及ぶ。
ITベンダー側で10年、ユーザー企業側で13年のITプロジェクト経験を経て、プロジェクトの全工程に精通した。その経験をもとに業界初のノウハウ集「システム発注から導入までを成功させる90の鉄則」を上梓、好評を得る。同書は多くのIT部門で研修教材にもなっている。
プロジェクトの膨大な課題を悶絶しながらさばいていくうちに、失敗する原因は上流工程にあるとの結論にたどり着く。そのため、「ファネル選定」などの超上流ノウハウを深化させ、IT部門にインストールするようになる。「IT部門が会社を強くする」という信念のもと、IT部門の現場で日々奮闘している。

ISBN:9784297128166
出版社:技術評論社
判型:4-6
ページ数:360ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2022年05月
発売日:2022年05月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:KF