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図解即戦力 建設機械業界のしくみとビジネスがこれ1冊でしっかりわかる教科書

著:増井 麻里子

紙版

内容紹介

建設現場等で使用される機械を開発、製造、販売する「建設機械業界」は日本国内の建設現場で使用されるのはもちろんのこと、発展途上国の国土整備や、先進国の都市再開発など、グローバルに活躍できる業界です。今後も日本国内では、1960年から1980年代に建てられた建物の老朽化対応や都市開発などにより、安定的な建設需要が見込まれ、海外でも国土整備や都市開発など建設機械の需要があることから、就業先として人気の業界です。一方、世界で高いシェアを誇っており、グローバル展開する企業が多いため、建設機械の自動化やICT技術を活用した最新鋭の機械の開発が加速しています。本書ではそのような「建設機械業界」の現状を簡潔かつ網羅的に解説し、就職・転職にあたっての業界研究で役立つ書籍です。

目次

■Chapter 1 建設機械業界の最新動向
01 ICT建設機械は働き方改革と省エネ対策の切り札
02 建設DX化が先延ばしにされてきた理由
03 省人化以外にもメリットのあるダンプトラックの無人運行
04 イノベーションが起こりやすい土工~測量、運搬の無人化~
05 画期的なコマツのコムトラックス~車両稼働率の見える化~
06 ロボット外付けから信号による制御へ
07 建設機械を対象とした補助金や融資
08 燃料電池フォークリフトの将来性
09 世界各国から先進的な建設機械が集まる世界の三大見本市
10 日本メーカーの競争力
11 風力の大量導入で見込まれる建機需要

■Chapter 2 建設機械業界の全体像
01 建設機械の産業規模
02 さまざまな場面で活躍する建設機械
03 建設機械の種類と役割
04 建設機械業界のビジネスモデルとバリューチェーン
05 建設機械業界のビジネスモデル①:研究開発
06 建設機械業界のビジネスモデル②:調達・生産
07 建設機械業界のビジネスモデル③:販売・サービス
08 技術力と販売網とサプライチェーン
09 戦略的なM&Aや提携が続く建設機械業界
10 グローバル競争激化に対する戦略
11 規模拡大が利益率向上と技術革新をもたらす
12 効率よく利益を生み出している建設機械メーカー
13 債務が少ない日本メーカー
14 株主にとって魅力的なキャタピラー
15 建設機械メーカーの組織体制

■Chapter 3 建設機械業界の職場と業務
01 事業内容から見る建設機械業界の業務の種類
02 テーマが尽きない研究開発
03 溶接・塗装の流れと必要な資格
04 組立の流れと役立つ資格
05 適切な整備、日常点検、定期的な検査を行う
06 希少価値が高まるサービスエンジニア
07 調達バイヤーとサプライチェーンマネジメント
08 さまざまな分野で活躍するICTコーディネーター
09 拡大する営業の役割
10 教育・研修の充実化

■Chapter 4 幅広い現場で活躍する建設機械
01 油圧ショベルの基本的な役割は「掘る・掻込む・すくう」
02 運搬作業で用いられるダンプトラック
03 掘削や運搬など一台多役のブルドーザーとホイールローダー
04 土木工事で用いられる締固め機械
05 3種類の移動式クレーンが荷重を吊り上げる
06 クレーンから荷物を受け取り、屋内に収納する
07 複雑な解体作業に対応するため高性能化する解体機
08 整地を行い、締め固めて、アスファルト混合物を敷きつめる
09 足場を設置せずに作業できる高所作業車
10 建設工事現場や工場で活躍するフォークリフト
11 複数の仕事をこなす林業機械
12 バリエーションが豊富な除雪用アタッチメント
13 さまざまな用途があり工事現場以外でも活躍するクレーン

■Chapter 5 建設機械メーカーの事業戦略と技術
01 自律稼動システムの草分け的存在キャタピラー
02 プロダクトアウト思考でダントツを極めるコマツ
03 オープンイノベーション時代に優位な環境を持つ日立建機
04 人と環境にやさしい革新的な建設機械を生み出すコベルコ建機
05 低燃費と安全性の技術に優れた住友建機
06 中国で急成長を遂げ、世界進出を加速させる三一重工
07 北中南米に販売網を持つ老舗ディア・アンド・カンパニー
08 欧州で強固なポジションを持つボルボ建設機械
09 Lifting Equipmentで世界No.1を目指すタダノ
10 ミニショベルで世界首位を維持し続けるクボタ
11 圧倒的なブランド力により欧米で人気の高い竹内製作所
12 エンジンと小型機で世界トップクラスのヤンマー建機
13 建設機械レンタルの草分け的存在アクティオ

■Chapter 6 建設機械業界の事業環境
01 建機出荷額と資源価格
02 国内の建設投資動向
03 海外の建設投資動向①:米国
04 海外の建設投資動向②:欧州
05 海外の建設投資動向③:中国
06 海外の建設投資動向④:アジア
07 海外の建設投資動向⑤:中南米・アフリカ
08 北米・欧州向け輸出比率の高まり
09 現地調達にシフトする補給部品
10 鉱山機械:露天掘りと坑内掘り
11 小型建機を重視
12 カーボンニュートラルのための目標
13 ハイブリッド建機と電動化
14 注目度が高い中古建設機械オークション
15 レンタル市場の拡大
16 多様化するファイナンスサービス

■Chapter 7 関連する法規と資格
01 労働安全衛生法等で定められた資格①~移動式クレーン運転士、クレーン・デリック運転士、玉掛け特別教育/技能講習~
02 労働安全衛生法等で定められた資格②~高所作業車運転特別教育/技能講習~
03 労働安全衛生法等で定められた資格③~車両系建設機械運転特別教育/技能講習~
04 建設機械整備技能士
05 自動車整備士
06 自動車六法(オンロード車)
07 特定特殊自動車排出ガスの規制(オフロード車)
08 騒音規制法
09 振動規制法

■Chapter 8 建設機械業界の課題と将来
01 労働災害の防止と人手不足の緩和
02 ICT建機導入のボトルネック
03 丁張りレスのメリットとデメリット
04 建機のフィードバック不足問題
05 建機の高額化と操作困難性の克服へ
06 本体の耐久性向上とメンテナンス体制の強化
07 今後のM&Aと提携
08 国内部品メーカー・工作機械メーカーとの関係
09 製造業メーカーからの脱却
10 DXによるデータ収集競争の時代へ

著者略歴

著:増井 麻里子
経済アナリスト/経営コンサルタント。
証券会社で株式調査等に従事し、ヘッジファンドでのクオンツアナリストを経て、ムーディーズでは大手企業の信用力分析、国際協力銀行では国際経済調査を担当。独立後、経済全般に関する講演・執筆実績多数。
建設機械の講演会では、市況、最新トレンド、技術動向について講演。建機メーカーの競争力強化への提言を行う。
主な出演メディアは、日刊工業新聞、週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、日経CNBCなど。
金融財政事情研究会「業種別審査事典フォローアップレポート」、投資雑誌「株主手帳」連載中。ラジオNIKKEIにゲスト出演中

ISBN:9784297125554
出版社:技術評論社
判型:A5
ページ数:224ページ
定価:1780円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TN