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オオカミ特許革命 事業と技術を守る真の戦略

著:田所照洋

紙版

内容紹介

●攻めのオオカミ特許が企業を強くする
――元特許庁長官 荒井寿光

●日本企業への処方箋がここにある!
――元リコー会長 近藤史朗

「苦労してノルマを達成して出願したのに、何の役にも立たない」
「模倣品が出てきても、訴えることすらできない」
「しかも、特許の数だけ模倣者にアイデアという塩を送ってしまう……」

……数だけの権利行使できない「ヒツジ特許」を量産していませんか?
特許の真の実態と特許制度の問題を知らない限り、競合他社の模倣を抑制し、利益を生み出す特許――「オオカミ特許」は取得できません。

「特許審査の罠を見破る方法(毒団子拒絶理由/ステルス拒絶理由通知)」
「ヒツジ特許をオオカミ特許に変革する、一番大事なルール(オールエレメントルール)」
「「キルビー特許」は、いかにして日本で1兆円稼げる特許になったのか?(オオカミ特許の獲得戦略)」

40年の実務経験を持つエキスパートだからこそ書けた、唯一無二の実践知見。

目次

■■推薦文
■■はじめに

■■■■第1部 日本の実態と意識革命編

■■■第1章 事業や技術を守るべき発明が、権利行使できない特許になってしまう日本

■■【解説】特許制度の目的とそれを実現するためのしくみ
■■[1―1]日本特許の95%は権利行使できないヒツジ特許
■■[1―2]広い権利範囲の特許を取得することは発明者・出願人の当然の権利
■■[1―3]米国はプロパテント政策で経済的大発展を達成
■■[1―4]日本の「知財立国」はヒツジ特許ばかりで破綻
■■[1―5]特許のステークホルダーが権利範囲を狭くしヒツジ特許を増やす
■■[1―6]ヒツジ特許を増殖させる最大のカラクリ ~「登録特許」という見せかけの成果
■■[1―7]技術に強い企業がヒツジ特許で大失敗した事例

■■■第2章 特許の誤った固定観念と、それを打破する意識革命

■■【解説1】特許が登録になるまでの流れ
■■【解説2】特許が登録になるための二大特許要件 「新規性」と「進歩性」
■■[2―1]「特許制度や特許審査に大きな問題はない」という固定観念と、意識革命①
■■[2―2]「狭くなっても登録にしなければ」という固定観念と、意識革命②
■■[2―3]「技術成果こそが技術者・研究者の成果だ」という固定観念と、意識革命③
■■[2―4]個人の成果で特許表彰を狙い、技術者・研究者のキャリアを高める
■■[2―5]プロパテントエンジニアへの道、「自分自身の知的財産戦略」をつくる
■■[2―6]経営者は「知財戦略を実施しているから大丈夫」と安心しない
■■[2―7]「我が社の知的財産活動は順調だ」という固定観念と、意識革命④
■■[2―8]経営者による「オオカミ特許革命」宣言
■■[2―9]「現状のままで何とかなる」という固定観念と、意識革命⑤

■■■■第2部 オオカミ特許獲得編

■■■第3章 オオカミ特許を獲るための肝「特許請求の範囲」

■■【解説】特許出願書類について
■■[3―1]技術者・研究者にとってとても重要、「特許請求の範囲」の知識
■■[3―2]超かんたん 「特許請求の範囲」の広さに関するオールエレメントルール
■■[3―3]超かんたん 技術者、研究者、経営者もできる 「特許請求の範囲」の文字数評価法
■■[3―4]先人の大失敗に学ぶ1 競合企業より3日早く出願した技術者
■■[3―5]先人の大失敗に学ぶ2 1兆円稼いだキルビー特許より2年も早く出願した日本人
■■[3―6]「特許請求の範囲」の書き方テクニック① 形式に関する3つのルールと、広さと進歩性の両立
■■[3―7]「特許請求の範囲」の書き方テクニック② 「特許請求の範囲」の分節法
■■[3―8]「特許請求の範囲」の書き方テクニック③ 表現に関する3つの提案
■■[3―9]広い「特許請求の範囲」のために、特許担当者・弁理士を味方につけろ! 異なる知識の融合

■■■第4章 「拒絶理由通知」にひるむな! 審査での権利化戦略

■■【解説】特許審査の手順
■■[4―1]「拒絶理由通知」がきたときが、オオカミ特許を獲るビッグチャンス
■■[4―2]相手(特許庁審査官)を知る 審査官の強い立場
■■[4―3]特許庁「特許審査に関する品質ポリシー」
■■[4―4]特許審査の真実① 「一発登録」(拒絶理由通知無しで登録)は大失敗
■■[4―5]特許審査の真実② 早期審査請求は百害あって一利のみ
■■[4―6]特許審査の罠① 毒団子入り「拒絶理由通知」
■■[4―7]特許審査の罠② 「ステルス拒絶理由通知」
■■[4―8]審査官の手の内を見抜け! 「検索報告書」
■■[4―9]審査官は後知恵で審査する 進歩性と「後知恵」問題
■■[4―10]「容易に発明できた」と拒絶理由通知が来たら、シメタと思え
■■[4―11]過誤ある拒絶理由通知に反論することは、出願人の権利・義務である
■■[4―12]「拒絶査定」を恐れるな! 下手な登録査定よりはるかにマシ

■■■第5章 公正な判断をあおぐ 「拒絶査定不服審判」

■■【解説】オオカミ特許三銃士のひとつ 「拒絶査定不服審判」
■■[5―1]相手(審判官)を知る 審判官の厳しい立場
■■[5―2]拒絶査定不服審判は絶対に負けてはいけない
■■[5―3]拒絶査定不服審判でオオカミ特許をとる技

■■■第6章 「補正」で特許を変幻自在に操れ!

■■【解説】オオカミ特許三銃士のひとつ 「補正手続」
■■[6―1]特許は後出しジャンケンの世界 後出しジャンケン補正で勝つ
■■[6―2]補正で、「特許請求の範囲」を広くしてオオカミ特許を獲る
■■[6―3]補正で、「特許請求の範囲」をあえて「狭く」してオオカミ特許を獲る
■■[6―4]ターゲット(製品・技術)を狙った戦略的補正のしかた
■■[6―5]ターゲット製品iPodを発見したと仮定して、戦略的補正をおこなってみる

■■■第7章 特許の可能性を大きく広げる! 「分割出願」

■■【解説】「オオカミ特許三銃士」のひとつ 「分割出願」
■■[7―1]4つのケース別、分割出願活用方法
■■[7―2]分割出願のタイムマシン機能とシリアル分割出願戦略
■■[7―3]分割出願が多い企業はオオカミ特許が多い
■■[7―4]分割出願10件、TI社キルビーのスーパーオオカミ特許
■■[7―5]「金融ビジネスモデル」を特許出願し、分割出願で訴訟に勝ったマネースクエアHD
■■[7―6]下請け企業が巨大企業を提訴した「アスタリスクvsファーストリテイリング」訴訟

■■■最終章 プロパテントカンパニーへの道 「オオカミ特許プロジェクト」のご提案

■■あとがきと謝辞
■■参考文献リスト
■■索引

著者略歴

著:田所照洋
●田所照洋(たどころ てるひろ)
信州大学工学部電子工学科卒業。
株式会社リコー 知的財産部門で、発明発掘、特許出願、権利化、権利行使、米国特許訴訟、ライセンス交渉、知財戦略策定、等の知財実務と知財マネジメントを担当した。
数々の権利行使ができる特許を獲得し、数百億円の特許ロイヤリティを日米欧で獲得することに貢献した。
また、米国駐在員、知的財産センター所長、知的財産担当審議役、などを務めた。
2011年~2016年 日本経済団体連合(日経連)知的財産企画部会委員。
2017年に株式会社リコーの知的財産担当審議役を退任後は、知的財産・経営コンサルタントとして、技術者や経営者への知的財産教育やコンサルティングをおこなっている。

ISBN:9784297123970
出版社:技術評論社
判型:A5
ページ数:320ページ
定価:2680円(本体)
発行年月日:2021年10月
発売日:2021年10月27日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC