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世界トップ投資家の共通言語 大化けする人と企業を見いだすために何を見ているのか

著:髙岡 美緒
著:曽我 有希

紙版

内容紹介

★日本企業の飛躍を妨げるグローバル「共通言語」

 世界トップの投資家は、多くの日本人ビジネスパーソンが知らない「共通言語」でコミュニケーションをとっています。それは「英語」を話すことではありません。数多くの企業との接触を通じて得た企業評価のセオリーを標準化したものです。

 日本企業が飛躍できない一因は、飛躍する力がないからではなく、力はあるが「潜在的な価値を発揮できていない」ことにあるように思います。グローバル視点で見れば、日本は地方にある一つの都市に過ぎません。地方には地方の「良さ」がありますが、その「良さ」を知ってもらうにはグローバルな「共通言語」で語る必要があります。そうしなければ良さを分かってもらうことはできず、潜在的な価値を発揮できないままになります。

 これが日本企業の飛躍を妨げている本質で、それを本書の著者らは「日本はもったいない」と表現し、「そうしたもったいないを少しでも解消したい」という思いで本書を執筆しています。筆者らは英国のオックスブリッジで理系の学位を取ったのち、国内外の金融機関で投資キャリアを積んできた、世界も日本もよく知るビジネスパーソンです。

 本書にはファンドマネジャーやベンチャー投資家が登場しますが、投資手法の伝授や株価対策の指南をする本ではありません。世界トップのファンドマネジャーやベンチャー投資家が発する「フレーズ」に注目し、投資家がフレーズに込めた意図を説明することで、グローバル共通言語を学ぶ書です。

 筆者らが本書で伝えていることは、思考の微細な調整です。共通言語の視点を理解することによってコミュニケーション上の「ずれ」をなくし、いくつかのTWEAK(小さな調整)をする。難しいことではなく、「そういうことなんだ」と一度理解すれば、マスターできるものばかりです。思考の調整をそうすることによって、日本企業がグローバルなビジネスの場で新たな成功を勝ち取る可能性が高まると、筆者らは信じているのです。

 グローバル共通言語を学ぶことは、日本人ビジネスパーソンの必須科目にしてもいいくらいの価値があります。ぜひ本書でその価値を確かめていただきたい。

目次

第1章 スタートアップ VCへのピッチ
1-1 Your idea is not part of my investment thesis/まず、仮説ありき
1-2 Who has already invested?/良質な投資家は信用を補完する
1-3 What’s the why now factor?/明確な成長ドライバーは必須要件
1-4 What’s your playbook for success?/上達の近道は良い「型」を学ぶこと
1-5 What’s your Go-To-Market strategy?/いい商品も売れなければ価値はない
1-6 What does good look like?/今のヒーローが未来の自分
1-7 Your technology is not your moat!/持続性こそ価値の源泉

第2章 スタートアップ ベンチャー投資家同士の会話
2-1 Is there Founder market fit?/「何をやるか」と同じくらい「誰がやるか」が大事
2-2 What’s the opportunity cost here?/これは考え得る選択肢の中で最適な判断か?
2-3 Do you really understand the underlying market dynamics?/業界の特性の本質を見抜いているか?
2-4 FOMO has got into him!/人気銘柄だからといって成功するスタートアップとは限らない
2-5 It’s a VC-backed startup/本当にVCから調達すべきか?
2-6 The VC Power Law and Staging/VCのリスクとリターンの考え方

第3章 上場企業 IR面談
3-1 This company went public too early/上場は必ずしも正しい選択ではない
3-2 How do you allocate operating cash flow?/適切なキャッシュ配分が経営者の仕事
3-3 How did you set the MTP?/中期経営計画はどのように策定しましたか?
3-4 How do you identify your investment targets?/投資をする準備はできている?
3-5 What’s your shareholder return policy?/適切な株主還元と成長のバランスを考える
3-6 We propose a share buyback/投資家と対話することが大事

第4章 上場株式投資 ファンド投資会議
4-1 Be a contrarian/人と違った思考を持つことがアルファの源泉となる
4-2 Which analyst wrote the report?/証券会社の推奨や目標株価は気にする必要はない
4-3 What’s the time horizon?/時間の価値
4-4 What is the risk-reward of this investment target?/魅力的な投資案件は、リターンがリスクを大幅に上回る
4-5 Does it have high operating leverage?/オペレーティングレバレッジの力
4-6 This is a value trap/バリュートラップにご注意

第5章 ガバナンス
5-1 They have high agency risk/株主フレンドリーではない経営者だ
5-2 Who takes the upside?/計画を達成するための最適なインセンティブスキームになっているか?
5-3 We can’t see your commitment to Diversity/持続的な成長を実現するための人財戦略になっているか?
5-4 What’s the value creation factor?/M&Aの成否も仮説と実行精度にかかっている

ISBN:9784296203420
出版社:日経BP
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:1800円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月09日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF