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外食を救うのは誰か

著:鷲尾 龍一

紙版

内容紹介

コロナ禍でダメージを受けた「外食」は再び成長できるのだろうか──。
話題を呼んだ新興ハンバーガー店はなぜ閉業したのか、給食事業のシダックスの争奪戦はなぜ起きたのか、「食べログ」の点数を巡る訴訟の背景には何があったのか……。
外食業界で起きた事件に迫りながら、再成長への道筋を探る本格的「外食産業論」。

 生活に身近な存在だからこそ気になる問題や事件も多い外食。「低採算」「ブラック職場」「閉店ラッシュ」は表層的な問題にすぎない。根本的な問題はコロナ禍前から変わっていなかった。外食産業はなぜ「本当の問題」を先送りにしてしまったのか。
 経済誌の記者がキーパーソンを表から裏から徹底的に取材し、外食産業の構造と課題を解き明かす1冊。約400万人が従事する約25兆円の産業で何が起きているのか。どうすれば再成長できるのか。
 外食に従事する人、サービス産業で働く人たちが現状を打破するヒントに。そして、外食を楽しむすべての人へ。外食はもっと魅力的な産業に変われるはずだ。

目次

はじめに
プロローグ ある新興ハンバーガー店の敗戦記
第1章 コロナ後に起きた閉店ラッシュ
第2章 外食が抱える構造問題
 気付けば競合店だらけ 「低い参入障壁」の弊害
 シダックス争奪戦が勃発 背後に「同時性の制約」
 食べログが一審で敗訴 「新規顧客偏重」が招いた争い
 [インタビュー]ロイヤルホールディングス会長 菊地唯夫氏「多店舗化の呪縛から抜け出せ」
第3章 外食産業60年史
 「勃興」の60~70年代をけん引 ファミレスとファストフード
 「成熟と多様化」の80年代 97年に外食市場はピークに
 生存競争始まる00年代 変革が不可欠に
 [インタビュー]すかいらーく創業者(高倉町珈琲会長) 横川竟氏「外食の安売りは僕の反省でもある」
第4章 グルメサイトの光と影
 「3.5点」をめぐる攻防 ブラックボックスの果てに
 広告から消費者主体、また広告へ グルメサイトがたどった歴史
 デリバリーと外食店は 共存共栄できるのか
第5章 外食の業態、コロナ禍で明暗
 業態違えばまるで別産業 外食は多様性の極致
 「一強」のマクドナルド コロナ前からの改革が奏功
 目的来店で好調の回転ずし 集客優先で陥った「わな」
第6章 はやり廃りを超えて
 淡路島に「外食の街」 バルニバービの逆張り戦略
 「塚田農場」の立役者 新橋からユーカリが丘へ
 流行に左右されない 「ストーリー」を磨く
第7章 個店とチェーンの融合へ
 個性を買収する クリエイトの「連邦経営」
 「30店舗の壁」と向き合い ちょうどいい店舗数に
 住宅街にポツン 「戦わずして勝つ」やきとり大吉
第8章 人手不足に負けない店
 「スマホでチップ」が 下げた離職率
 「旬」を過ぎた塚田農場 オペレーション変革に挑む
おわりに 外食を救うのは誰か

著者略歴

著:鷲尾 龍一
1986年兵庫県生まれ。2008年京都大学法学部卒業、読売新聞大阪本社入社。4年半の地方勤務を経て経済部へ。10年近くにわたり、大阪や東京で小売りや電機、インフラ、金融、スタートアップなどの業界を取材した。19年8月から日経ビジネス記者。総合商社の動向や企業買収の現場、外食業界などを重点的に取材している。

ISBN:9784296200900
出版社:日経BP
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN