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ダイナミック・サプライチェーン・マネジメント

レジリエンスとサステナビリティーヲジツゲンスルシンジダイノSCM

著:株式会社クニエ SCMチーム

紙版

内容紹介

★想定外を乗り越えるサプライチェーン
★「Just In Time」は終焉、「Just In Case」の時代

サプライチェーンは転換点を迎えている。半導体不足、COVID-19、ウクライナ問題などによって既存のサプライチェーンはずたずたにされ、カーボンニュートラルやESGは企業にこれまでとは違った対応を求めています。サプライチェーンの考え方を抜本的に変える時期に来ていることはわかるのだが、ではどうずればいいのでしょうか。それを示してくれるのが本書です。

従来の考え方は「Just In Time」。計画通りに実行してお客様にお届けするのが当たり前という前提の中で、いかに効率的にできるかが主なテーマでした。しかし現在はそれではうまくいきません。精緻な計画を立案したとしても、想定外の事象により実行できないのが常態化しています。

求められるのは「Just In Case」の発想です。サプライチェーンに影響を与える「状況」を素早くとらえてダイナミックなマネジメントを実施します。「ダイナミック・サプライチェーン・マネジメント」こそ、求められるSCMです。

本書はSCMの歴史を踏まえたうえで、ダイナミック・サプライチェーン・マネジメントを「SCM 5.0」と位置付け、経営・デジタル・人材面の施策を多角的に解説します。サプライチェーンに関わるビジネスパーソン必携の1冊です。

目次

第1部 SCMの歴史と変遷
第1章 SCMとは何か
1-1 SCMプロセスの3つのレイヤー
1-2 SCM時代の定義
第2章 SCM前史
2-1 大量生産時代(1900~1950年ごろ)
2-2 コンテナリゼーションとグローバルロジスティクスの形成(1950年~)
2-3 Japan as No. 1(1960~1990年ごろ)
第3章 SCM 1.0:効率重視型SCM
3-1 時代背景:SCMによる在庫削減ニーズの高まり
3-2 在庫削減とコストダウンを目指したSCMの取り組み
第4章 SCM 2.0:反応重視型SCM
4-1 時代背景:SCMにおける需要変動対応ニーズの高まり
4-2 需要変動への反応速度向上を目指したSCMの取り組み
第5章 SCM 3.0:S&OP
5-1 時代背景:SCMにおける金額把握ニーズの高まり
5-2 数量計画に金額観点を加えたSCMの取り組み
第6章 SCM 4.0:デジタルSCM
6-1 時代背景:デジタルテクノロジーの加速度的な発展
6-2 デジタル化を志向したSCMの取り組み
第1部まとめ
【コラム】人間の意思決定メカニズムとSCM
【コラム】ユーザーの価値基準変化により注目される「サービス・ドミナント・ロジック」

第2部 SCMを取り巻く環境と課題
第7章 モノが買えない、作れない、運べない
7-1 「モノが買えない」――消費者が直面した問題
7-2 「モノが買えない・作れない・運べない」――企業に起きた問題
第8章 予測と制御が困難な外部環境変化の増大
8-1 各国の通商政策の変化
8-2 各地で頻発する武力紛争
第9章 高まる社会問題への対応ニーズ
9-1 環境問題
9-2 人権問題
9-3 ESGによる企業評価の広がり
第10章 高まる供給の不確実性
10-1 VUCA(不確実性)の時代
10-2 パンデミックが引き起こしたパラダイムシフト
第2部まとめ
【コラム】サプライチェーンとシステム思考

第3部 SCM 5.0時代が求めるマネジメント
第11章 新時代に求められるダイナミックSCM
第12章 ダイナミックSCMが備えるべきマネジメント機能
12-1 サプライチェーンネットワークマネジメント
12-2 グローバルサプライチェーン計画・S&OP
12-3 BCPシミュレーション
12-4 コラボレーションSCM
第3部まとめ

第4部 SCMリーディングカンパニー先行事例
第13章 旭化成:サプライチェーン一貫の損益管理とGHG排出量の可視化
13-1 改革のきっかけ
13-2 改革の基本コンセプト
13-3 改革施策
13-4 改革の効果
13-5 将来の展望
13-6 本事例から得られる示唆
第14章 オムロンヘルスケア:End to End SCMでの「Bias-less Planning」
14-1 改革のきっかけ
14-2 改革の基本コンセプト
14-3 改革施策
14-4 改革の効果
14-5 将来の展望
14-6 本事例から得られる示唆
第15章 コニカミノルタ:事業強化型SCMとBCPシミュレーション
15-1 改革のきっかけ
15-2 改革の基本コンセプト
15-3 改革施策
15-4 改革の効果
15-5 将来の展望
15-6 本事例から得られる示唆
第4部まとめ
【コラム】不確実性とダイナミック・ケイパビリティー

第5部 SCM 5.0:ダイナミックSCMの実現に向けた課題
第16章 SCMを企業ケイパビリティーとして高めるための検討範囲
第17章 ダイナミックSCM実現に向けた問題点
17-1 日本企業におけるSCMの実態
17-2 デジタル面の問題:複雑なレガシーシステムやマニュアル業務
17-3 組織・人材面の問題:サプライチェーン全体を見渡す組織と人材の不在
17-4 問題背景:経営者のSCMに対する重要性認識不足
第18章 経営観点の施策:SCMを経営アジェンダとして捉える
18-1 サプライチェーンのパラダイムシフトを理解する
18-2 サプライチェーンポリシーに先立つ事業パーパスを設定する
18-3 持続的なプロセスイノベーションの土台をつくる
第19章 デジタル観点の施策:新たな業務を生み出す土台としてデジタルを捉える
19-1 ダイナミックSCMを支えるデジタルサプライチェーンツイン
19-2 領域横断のデジタル化アプローチを取る
19-3 SCMのベースとなるPSI連携をデジタル化する
19-4 デジタルソリューションの組み合わせでレガシーをバイパスする
第20章 組織・人材観点の施策:ダイナミックSCMを担う組織を定義して人材を育成する
20-1 戦略、計画、実行3レイヤーの領域横断SCM機能を定義する
20-2 マネジメントとオペレーションをつなぐKPIツリーを定義し柔軟な運用を行う
20-3 SCM人材要件を明確化し育成・採用する
第5部まとめ

巻末付録 SCMの基本解説
A サプライチェーン業務プロセス概略
A-1 販売計画
A-2 在庫計画と仕入計画
A-3 PSI計画(需要連鎖)
A-4 生産計画
A-5 需給調整(供給連鎖)
A-6 調達
A-7 出荷
A-8 S&OP(Sales & Operations Planning)
B PSIとは何か
B-1 SCMと事業運営の基本となるPSI
B-2 PSIの基本的な計算

ISBN:9784296200818
出版社:日経BP
判型:A5
定価:2400円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ