出版社を探す

小町はどんな女(ひと)

『小説 小野小町 百夜』の世界

著:髙樹のぶ子

紙版

内容紹介

ひたむきに、一途に生きた、小町の美しい人生――

小町の歌を手掛かりに紡がれた物語『百夜』
とともに、平安の「雅とあはれ」をたどる旅

「彼女の率直で必死な言の葉が描き出す真(まこと)の姿は、芯の強い、自分に率直な女性です。哀しみを友としながらも毅然として愛を全うした人。

 私の中では、大きく豊かな女性として成長して行きました。
 多くのしがらみや宿世(すくせ)に翻弄されながらも、最後まで自尊心を保ち、自らの心に忠実に生きた女性の、なんと魅力的なことでしょう。

 私はぐいぐい引っ張られながら、小町の人生にのめり込んで行きました」
(本文より)

目次

第一章 私の中の小町 

第二章 小野小町の人生  
 母・大町との別れ 雄勝・多賀城
 父親との融和と理解の場 六道珍皇寺 
 小町の能力 神泉苑
 愛の真実を知る場所 雲林院 
 桜を扇に乗せて思いを伝える 仁明帝 深草陵
 竹林と愛の悲劇 欣浄寺
 小町は惨めに年老いたのか
 山科の花と雪の里 随心院
 平安時代の婚姻関係
 香は男と女を結ぶ
 業平と小町の出会い 慈恩院
 魂を鎮めるところ 下出雲寺
 父・篁との和解  笛を吹くということ
 小町の歌の変遷
 母恋い
 鄙と都  
 出家というもの 石上寺
 平安時代の暮らし

第三章 [対談]叶わぬところにあはれがある     
     髙樹のぶ子×歌人・小島ゆかり

著者略歴

著:髙樹のぶ子
作家
1946年山口県生まれ。80年「その細き道」で作家デビュー。84年「光抱く友よ」で芥川賞、94年『蔦燃』で島清恋愛文学賞、95年『水脈』で女流文学賞、99年『透光の樹』で谷崎潤一郎賞、2006年『HOKKAI』で芸術選奨、10年「トモスイ」で川端康成文学賞。『小説伊勢物語 業平』で20年泉鏡花文学賞、21年毎日芸術賞。著作は多数。17年、日本芸術院会員、18年、文化功労者。

ISBN:9784296118274
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
ページ数:244ページ
定価:1600円(本体)
発行年月日:2023年07月
発売日:2023年07月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DC
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1FPJ