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ソシオテクニカル経営

人に優しいDXを目指して

著:櫻井美穂子
著:國領 二郎

紙版

内容紹介

 ソシオテクニカル経営とは、ITシステムを単なる効率化の道具としてではなく、人々の幸せや多様なニーズをサポートするものとして捉える考え方。目指すものは生活全般の“質”の向上だ。ソシオテクニカル経営の実践に必要なのは、社会システムと技術システムの統合設計。デジタル技術を使って、一人ひとりの多様なニーズにきめ細やかに、そして優しく対応することが求められる。本書は、社会システムと技術システムの統合設計によって、デジタルトランスフォーメーション(DX)の果実が社会全体に還元されることを明らかにする。

 ソサエティ5.0の実現を目指している日本だが、DXという要素が決定的に欠けている。DXは企業だけが取り組むものではなく、多様な人々の個別のニーズに合わせて柔軟にサービスを提供する体制ができて初めて実現する。DXを推進し、グローバルなデジタル競争を勝ち抜くためには、社会システム(構造、制度、人々、組織)と技術システム(タスクとテクノロジー)を総合的に検討しなければならない。

 両者を統合したアプローチは、経営情報システム論ではソシオテクニカルシステム・アプローチと呼ばれてきた。デジタル社会の前と後で、ソシオテクニカルシステムのデザインの方向性はどのように変わるだろうか。本書は、この問いへの答えを提示し、今後の社会デザインに必要な基本的知識を体系的に、読みやすく紹介する。

目次

 第1章 社会システムと技術システムの統合設計
 第2章 人に優しいシステムを作るソシオテクニカル経営
 第3章 ソシオテクニカル経営の社会的要件
 第4章 ソシオテクニカルシステムのアーキテクチャ 
 終 章 How to doソシオテクニカル経営?

著者略歴

著:櫻井美穂子
国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)准教授

慶應義塾大学特任助教、日本学術振興会特別研究員(DC2)、アグデル大学(ノルウェー)情報システム学科准教授を経て、2018年より現職。専門分野は経営情報システム学。特に基礎自治体および地域コミュニティにおけるICT利活用について、スマートシティやレジリエンスをキーワードとして、情報システム学の観点から研究を行っている。
著:國領 二郎
慶應義塾大学総合政策学部教授

1982年東京大学経済学部卒、日本電信電話公社入社。86年ハーバード・ビジネス・スクール留学、88年経営学修士、ハーバード大学助手。92年ハーバード大学経営学博士。93年慶應義塾大学ビジネススクール助教授、2000年慶應義塾大学環境情報学部教授、2008年より現職。

ISBN:9784296115198
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:232ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2022年09月
発売日:2022年09月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ