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TRILLIONS(トリリオンズ)

[物語]インデックス・ファンド革命

著:ロビン・ウィグルスワース
訳:貫井佳子

紙版

内容紹介

異端者たちが、金融を永遠に変えた!
パッシブ投資を王道に導いたギークたち。波瀾に満ちたストーリーから浮かび上がる投資と市場の変化。金融ノンフィクションの傑作。

従来の常識を覆し、ウォール街の蔑視に耐えてインデックス・ファンド革命を起こし、投資の世界に創造的破壊を巻き起こした異端者たちの驚くべき実話をフィナンシャル・タイムズ紙の記者が描いたノンフィクション大作。

50年前、世界最高の投資家でさえほとんどは長期的には市場に勝てないという異端の考えで一致した一団が、金融業界の片隅で資産運用版のマンハッタン計画をひっそりとスタートさせた。

奇才の経済学者ユージーン・ファーマ、業界の重鎮ジャック・ボーグル、コンピューターおたくのジョン・マクォーン、第二次世界大戦時の元潜水艦乗組員ネイサン・モストら、多様なバックグランドを持つ一団は、市場と連動する投資商品インデックス・ファンドを開発、想像を超える成功を収めた。パッシブ投資の規模は現在、アメリカの国内総生産を上回る26兆ドル以上となり、市場や金融、資本主義そのものの姿を変える力をもつ。

一方で、投資業界の巨人ブラックロック、バンガード、ステート・ストリートの3社が牛耳るインデックス・ファンドやETFは、その膨れ上がる重みで市場を不安定にし、投資の世界を破壊しているとさえ批判されている。これからインデックス・ファンドは、そして金融の世界はどう変わるのか?

本書は、世界の金融の姿を大きく変えたインデックス・ファンドの秘められた鮮烈な歴史を明らかにする。また、インデックス・ファンド革命を担った人間群像の物語を臨場感あふれる筆致で描き出す。現代の金融を理解したい人々にとって必読といえる魅力的な物語。

勝つのはインデックス・ファンドに賭けたウォーレン・バフェットか、世界屈指の辣腕ヘッジファンド創業者か。10年にわたる運用成績を100万ドルを賭けて競う前代未聞の世紀の勝負からこの物語は始まる。

パッシブ投資理論のゴッドファーザー、ルイ・バシュリエ、パッシブ投資革命の土台となる理論を構築したハリー・マーコウィッツ、ウィリアム・シャープや投資研究をリードしたジェイムズ・ローリー、効率的市場仮説を打ち立てたユージーン・ファーマ、バートン・マルキールら経済学者から、インデックス・ファンドを商品として開発、その普及を担った運用会社バンガードのジャック・ボーグル、初のパッシブ投資ファンドを開発したジョン・マックウォーン、レックス・シンクフィールド、ETFを生み出したネイサン・モストら草創期の世代、そして巨大投資会社、ブラックロックを率いる現代のラリー・フィンクに至るまで。インデックス・ファンド革命の歴史と今を人間劇場として描いた傑作。

目次

本書に登場する人物

第1章 バフェットの賭け

第2章 ゴッドファーザー

第3章 偶然の悪魔を手なずける

第4章 クオンティファイアーズ

第5章 非正統派の砦

第6章 ハリネズミ

第7章 ボーグルのバカげた事業

第8章 バンガードの隆盛

第9章 ニュー・ディメンション

第10章 バイオニックベータ

第11章 スパイダーの誕生

第12章 WFIA2・0

第13章 ラリーの攻めの一手

第14章 世紀の買収

第15章 パーディーのショットガン

第16章 資本の新たな支配者たち

第17章 これが水だ

第18章  企業界の新たな大権力者たち

著者略歴

著:ロビン・ウィグルスワース
フィナンシャル・タイムズ紙グローバル・ファイナンス担当記者。
マーケット、投資動向、世界のファイナンスについての動きを追う。長尺の読み物、アナリシス、人物関連記事、コラム執筆を担当。2008年にFT紙に移籍する前はブルームバーグニュース社に在籍。
訳:貫井佳子
翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部卒業。証券系シンクタンク、外資系証券会社に勤務後、フリーランスで翻訳業に従事。訳書に『戦略の世界史(上・下)』『金融危機の行動経済学』『市場サイクルを極める』『投資で一番大切な20の教え』『なぜ「あれ」は流行るのか?』『リーダーなき経済』 (日本経済新聞出版)などがある。日本証券アナリスト協会検定会員。

ISBN:9784296115112
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:464ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2024年02月
発売日:2024年02月16日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFF