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21世紀の財政政策

低金利・高債務下の正しい経済戦略

著:オリヴィエ・ブランシャール
訳:田代毅

紙版

内容紹介

【ベスト経済書・経営書2023】第2位(「週刊東洋経済」)
【2023年ベスト経済書】第2位(「週刊ダイヤモンド」)

マクロ経済学の世界的権威が読み解く財政課題、そして日本への教訓
日本は現在の金融政策・財政政策を維持できるのか?

長期に及ぶ低金利、目標に到達しないインフレと低成長……。金融政策が実効下限制約に直面する中で、本当に必要な経済政策とはいかなるものか。マクロ経済学の世界的権威が、経済の安定化に向けて、財政政策の役割を明らかにする。

財政政策については2つの対立する見方がある。1つは高水準の債務から債務削減を絶対的な優先事項とするものであり、もう1つは低金利を理由に財政には余地があり、債務の増加も排除すべきではないとするものだ。

一方、本書では、低金利は債務の財政面の費用だけでなく、債務の厚生面での費用も低下させるとして、低金利によって金融政策の余地が縮小する中で、財政政策をマクロ経済の安定化のために活用することの利点を提唱する。

日本は現在の金融政策や財政政策を続けることができるのか。財政破綻、金利上昇のリスクをどう見るか。日本が長期停滞を脱するための正しい方向性とは?

今後の日本のマクロ経済政策の方向性の輪郭を説得的に示し、1990年代以降の日本の金融政策と財政政策について丁寧に分析。近年進められているマクロ経済政策の再検討において決定版となる一冊。

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ハーバード大学教授、元米国財務長官
ローレンス・サマーズ 推薦!

「ブランシャールの最高傑作。ブランシャールは本書で、財政政策と財政の持続可能性の分析を新たな高みに導いた。財政赤字を心配する人も、緊縮財政を心配する人も、本書のバランスの取れた洞察に溢れる分析に学ぶべきだ。」

目次

日本語版への序文
序文

第1章 本書の概要
第2章 導入
第3章 金利の変遷、過去と未来
第4章 債務の持続可能性
第5章 債務と財政赤字による厚生面のコストとベネフィット
第6章 財政政策の実践
第7章 要約と今後の課題

参考文献
訳者あとがき

著者略歴

著:オリヴィエ・ブランシャール
ピーターソン国際経済研究所(PIIE)C.フレッド・バーグステン・シニアフェロー、マサチューセッツ工科大学(MIT)ロバート・ソロー経済学名誉教授。フランス生まれ。ハーバード大学やMITで教職を務めた後、2008年から15年まで国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストとして活躍。2015年より現職。専門はマクロ経済学。著書に『ブランシャール マクロ経済学』(上・下、東洋経済新報社)、『格差と闘え』(ダニ・ロドリックとの共編著、慶應義塾大学出版会)など。
訳:田代毅
ピーターソン国際経済研究所(PIIE)ノンレジデントシニアフェロー、経済産業研究所コンサルティングフェロー。慶應義塾大学卒業、ハーバード大学ケネディスクール公共政策修士。ブランシャールとの共同論文に「日本の財政政策の選択肢」、著書に『日本経済最後の戦略』(日本経済新聞出版)などがある。

ISBN:9784296114306
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:280ページ
定価:2800円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KFFD