出版社を探す

レジリエントな社会

危機から立ち直る力

著:マーカス・K・ブルネルマイヤー
訳:立木勝
訳:山岡由美

紙版

内容紹介

ジャスト・イン・タイムからジャスト・イン・ケースへ。
パンデミック、戦争、大地震、気候変動……。危機に対処するためのマインドセットを解説。

★アンガス・ディートン(ノーベル経済学賞受賞)絶賛!
★ドイツビジネス書最優秀賞受賞(2021年)
★フィナンシャル・タイムズ紙ベスト経済書(2021年)

【レジリエンスとは?】
「レジリエンス」はこれからの社会デザインを導く北極星だ。レジリエンスの本質は、「樫と葦」の寓話にあるように、嵐を乗り切って回復する力にある。樫の木は頑丈で力強い、普通の風に吹かれてもまず倒れそうにない。対照的に、葦はほんの微風でも曲がる。だが、強い嵐が吹き付けたときには樫は弱い。葦は曲がるが折れない。これが、レジリエンスだ。

効率重視の「ジャスト・イン・タイム」から、万一に備える「ジャスト・イン・ケース」へ。冗長性は悪から善になる――。危機対応型のマインドセットに転換しよう! 

レジリエンスの定義、レジリエンス重視の社会契約の考え方から始めて、新型コロナウイルス・パンデミックからの教訓、コミュニケーション、イノベーション、ダメージ・コントロール、金融のレジリエンス、インフレ、高水準の債務、不平等などのマクロ的な問題、そして、新興国経済、地政学と世界経済、気候変動といったグローバルな問題に至るまで。気鋭のマクロ経済学者が、どうすれば社会は、ショックに直面しても危機から立ち直れる力を備えることができるのかを考察する。

目次

はじめに
謝辞
序 章

<パートⅠ レジリエンスと社会>
第1章 リスク管理からレジリエンス管理へ
第2章 レジリエンスとさまざまな秩序
第3章 レジリエンスと社会契約

<パート II ショックの封じ込め:新型コロナウイルスの事例>
第4章 パンデミックの波に対する行動反応とレジリエンス幻想
第5章 情報、検査、追跡
第6章 コミュニケーション:人びとの懸念に対処する
第7章 ニューノーマルの設計にワクチンが果たす役割

<パートIII マクロ経済のレジリエンス>
第8章 イノベーションが長期的な成長を促進する
第9章 傷痕
第10章 金融市場の激しい変動:金融レジリエンスの守護者としての中央銀行
第11章 高水準の政府債務と低い金利負担
第12章 インフレの罠、デフレの罠:「インフレーション・ウィップソー」
第13章 不平等

<パートⅣ グローバル・レジリエンス>
第14章 新興国のレジリエンスに関する難題
第15章 新たなグローバル世界秩序
第16章 気候変動とレジリエンス
結論と展望

原注
参考文献

著者略歴

著:マーカス・K・ブルネルマイヤー
エコノメトリック・ソサエティ・フェロー、グッゲンハイム・フェロー、スローン・リサーチ・フェロー、アメリカ・ファイナンス協会バイス・プレジデント、ピーターソン国際経済研究所ノンレジデント・フェロー。アメリカ議会予算局、ニューヨーク連邦準備銀行、国際通貨基金、欧州システミック・リスク・ボード、ドイツ・ブンデスバンクのアドバイザリー・ボード・メンバーなどを歴任、もしくは務める。特に、バブル、流動性、金融・通貨の価格安定性を重点に国際金融市場およびマクロ経済にフォーカスして研究。日本では低金利政策の問題点を指摘した「リバーサル・レート」論提唱者として知られている。
訳:立木勝
翻訳家
中学高校教員を経て翻訳家。主な訳書に、スコット『反穀物の人類史』(2019、みすず書房)、アルメンダリスほか『マイクロファイナンス事典』(2016、明石書店)、ルーニー『物理学は歴史をどう変えてきたか』(2015、東京書籍)。
訳:山岡由美
翻訳家
出版社勤務を経て翻訳業に従事。主な訳書に、ジョンソン『世界を変えた「海賊」の物語』(2021、朝日新聞出版)、フォン・グラン『中国経済史』(2019、みすず書房)、ゴードン『アメリカ経済 成長の終焉 上・下』(2018、共訳 日経BP)。

ISBN:9784296113743
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:448ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年08月
発売日:2022年08月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA