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民主主義と資本主義の危機

著:マーティン・ウルフ
訳:小川敏子

紙版

内容紹介

中国ですら敵わないほどの強力な敵、民主主義と資本主義の敵は内側にいる。
国を率いるエリートたちの失敗と堕落が、民主主義と資本主義を危機にさらした。

まずまずの豊かさ、わが子が機会に恵まれること、そして幸せな未来――。
ささやかな期待すらも実現しない政治とグローバル資本主義に民衆は怒っている。
いま必要なのは、格差解消と中間層の復活だ。

* * *

世界金融危機後の中間層の空洞化は、先進国で既存体制への怒りに火を付けた。これから10年後、民主主義と資本主義は放棄されずに残るだろうか。高所得の民主主義国で台頭する右派・左派双方のポピュリズムは、世界を暗黒に変えるだろうか。

* * *

20世紀はモンスターのような独裁者の世紀だった。いまふたたび独裁者が復活しようとしている。権力者だけに奉仕する国家に希望はない。20世紀、人類はそうなる運命を紙一重で切り抜けた。21世紀もうまく逃げおおせるだろうか。

* * *

FTのチーフ・エコノミクス・コメンテーターが描くいま求められる改革。

目次

はじめに なぜ私は本書を執筆したのか
第1章 今回は、火だ

第Ⅰ部 資本主義と民主主義について
第2章 共存的な双子――人類史における政治と経済
第3章 民主資本主義の進化

第Ⅱ部 なにを間違えたのか
第4章 大事なのは経済なのだ、愚か者よ
第5章 レンティア資本主義の台頭
第6章 ポピュリズムの危険

第Ⅲ部 民主資本主義を再生する
第7章 資本主義の再生
第8章 「新しい」ニューディールに向かって
第9章 民主主義の再生

第Ⅳ部 いま歴史の転換点で
第10章 世界における民主資本主義

結 論 市民の力をふたたび

謝辞
参考文献
原註

著者略歴

著:マーティン・ウルフ
フィナンシャル・タイムズ(FT)紙チーフ・エコノミクス・コメンテーター
2000年に金融ジャーナリズムを評価されCBE(大英帝国勲章コマンダー)を授与された。2013年にはアメリカ海外特派員クラブ(OPC)から最優秀解説賞を、2019年には経済・金融ジャーナリズムを称えるジェラルド・ローブ賞の生涯功労賞を受賞。2010年から2011年にかけてイギリスの独立銀行委員会の委員を務めた。著書に『シフト&ショック』などがある。
訳:小川敏子
翻訳家。
東京生まれ。慶應義塾大学文学部英文学科卒業。小説からノンフィクションまで幅広いジャンルで活躍。

ISBN:9784296113651
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
判型:4-6
ページ数:580ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2024年01月
発売日:2024年01月29日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPF
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDTS