出版社を探す

建設DX(デジタルトランスフォーメーション) デジタルがもたらす建設産業のニューノーマル

著:木村 駿
編:日経アーキテクチュア

紙版

内容紹介

建設産業がコロナ後の世界で存在感を示すうえでDXは待ったなしだ
前作「建設テック革命」に続き、眠れる巨大産業の挑戦を描く

■主な内容
はじめに コロナ・ショックが迫る建設DX
2024年に迫る残業時間の上限規制、職人の大量離職などの課題を解決し、建設産業がさらなる飛躍を目指すには、DX(デジタルトランスフォーメーション)による生産性の向上や新規事業の創出が欠かせない。建設産業のデジタルシフトは、コロナ禍で加速しそうだ。

第1章 ゼネコン研究開発2.0
デジタルへの投資、スタートアップとの協業――。本業である建設事業の強化と、経営の新たな柱となる新規事業の創出を2大テーマに、ゼネコンの研究開発が活発化している。主要企業のオープンイノベーション戦略を徹底分析した。

第2章 リモートコンストラクション
アナログな建設現場を、デジタルで工場に変えよ――。施工管理はリモートで、作業はロボットで自動化する。そんなリモートコンストラクションの時代が見えてきた。

第3章 BIMこそが建設DXの基盤である
建設DXの基盤となるのが、3次元モデルに建物の属性情報をひも付けたBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)だ。建築・土木分野の最新動向を追った。

第4章 創造性を解き放つ建設3Dプリンター
デジタルな手法で設計した建物や橋を、そのまま現実空間につくり出すことができる建設3Dプリンター。建設業の生産性向上を妨げてきた「単品受注生産」の制約を取り払い、創造性を解き放つことができるか。海外の動向を中心に解説する。

第5章 モジュール化の世紀、舞台は現場から工場へ
建設産業の価値の源泉は「現場」から「工場」へ移る――。デジタルと相性の良いモジュール化・標準化の波が、建設市場に押し寄せつつある。建築や土木は「工業製品」にどこまで近づくのか。

第6章 「建設×AI」で単純作業を爆速化
一時のブームが落ち着き始めたAI。建設産業の先進的な企業は、設計や施工、維持管理など、様々な場面で活用を始めつつある。単純作業を爆速化する建設AIの実力に迫る。

第7章 建設テック系スタートアップ戦記
建設産業の「プラットフォーム」を巡る覇権争いが始まった。近年急増中の建設系スタートアップは、施工管理SaaSやマッチングアプリを展開しながら、プラットフォーマーの座を狙っている。

第8章 全てはスマートシティーにつながる
データドリブンな街づくり手法として注目されるスマートシティー。米グーグルや中国のアリババ集団、トヨタ自動車などの巨大企業が力を入れる領域だ。街づくりの専門家を自負してきた建設産業は、存在感を示せるか。

目次

はじめに●コロナ・ショックが迫る建設DX
建設産業を知るための基礎資料

第1章 ゼネコン研究開発2.0
1.ゼネコン×スタートアップ、建設テック争奪戦
2.建設会社のオープンイノベーション戦略
 大林組●シリコンバレーで「建設テック一番乗り」
 鹿島●ゼネコンも「建てた後」が勝負
 清水建設●ベンチャー投資枠100億円を確保
 竹中工務店●研究開発をアジャイル型に
 大成建設●機械×夜間で生産性向上
 前田建設工業●主任研究員を「プロデューサー」と呼ぶ
3.ゼネコン共同戦線、業界再編を呼ぶか


第2章 リモートコンストラクション
1.施工管理の遠隔化は可能か?
2.5Gが現場にやってきた
3.第2次建設ロボットブーム
4.重機の自動化、働くクルマが賢くなる
<COLUMN>
・点検・巡回にも使える犬型ロボット
・建設現場の通信環境整備で名を上げるピコセラ
・新規入場者にペッパーがレクチャー
<INTERVIEW>
・キャタピラー建設デジタル&テクノロジー部門プロダクトマネージャー フレッド・リオ氏

第3章 BIMこそが建設DXの基盤である
1.建築分野におけるBIM活用の現在地
2.ビル管理プラットフォームとしてのBIM
3.国交省の「BIM/CIM原則化」
<COLUMN>
・1時間で応急仮設住宅の配置計画を自動作成
・買収・提携から会社設立まで、BIMの体制づくりが活発に
・BIM/CIMモデルを簡単に、進化する設計の自動化

第4章 創造性を解き放つ建設3Dプリンター
1.「単品受注生産」の限界に挑戦
 建設3Dプリンター業界地図
2.スタートアップのプリント革命
 XtreeE●フランスの巨人、バンシなどと協業
 CyBe Construction●現地製造による合理化で先行
 WinSun●5年で150万棟の住宅を建設
 AI SpaceFactory●火星に家を建てる
3.国産3Dプリンターで家が建つ日
<INTERVIEW>
・アイントホーフェン工科大学建築環境学部教授 テオ・サレット氏
・東京大学大学院工学系研究科教授 石田 哲也氏
・慶応義塾大学環境情報学部教授 田中 浩也氏

第5章 モジュール化の世紀、舞台は現場から工場へ
1.モジュール建築の隆盛
2.建物は製品に、価値の源泉は工場に
3.「プレキャスト」はなぜ普及しないのか
<COLUMN>
・「継ぎ手」の開発競争が激しく

第6章「建設×AI」で単純作業を爆速化
1.メンテナンスだけじゃない建設AI
 「建設AI」事例マップ
 ①建築計画×AI
 ②設計×AI
 ③施工×AI
 ④施工管理×AI
 ⑤検査×AI
 ⑥点検×AI
 ⑦防災×AI
2.建設AIの導入に立ちはだかる課題

第7章 建設テック系スタートアップ戦記
1.プラットフォーマーを目指せ
2.建設産業を変えるユニコーンを探せ
 SE4●VRで時空超えて重機を遠隔操作
 ライトブルーテクノロジー●AIで安全管理、清水建設と製品化へ
 スカイマティクス●野菜から石礫まで空から解析
 ネジロウ●カシオと挑む「スマートネジ」
<COLUMN>
・米国では巨額のM&A事例も
<INTERVIEW>
・ブリック・アンド・モルタル・ベンチャーズプリンシパル カーティス・ロジャース氏

第8章 全てはスマートシティーにつながる
1.都市への越境者・トヨタの挑戦
2.都市のDXに挑むゼネコン
3.スマートシティー、乗り越えるべき課題
<COLUMN>
・民間スマートシティーの成功例「藤沢」と「柏の葉」
・サイドウォークラボが打ち出した「人間中心の道路」
<INTERVIEW>
・東京大学大学院工学系研究科教授 羽藤 英二氏

著者略歴

著:木村 駿
日経アーキテクチュア副編集長。1981年生まれ。2007年京都大学大学院工学研究科建築学専攻修了。同年に日経BP社に入社。日経アーキテクチュア、日経コンストラクションで建設分野のICT活用動向やインフラ老朽化問題、災害報道などを担当。著書に「2025年の巨大市場」(2014年、共著)、「すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>」(2018)、「建設テック革命」(2018年)

ISBN:9784296107568
出版社:日経BP
判型:A5
ページ数:416ページ
定価:2300円(本体)
発行年月日:2020年11月
発売日:2020年11月07日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TN